1998 Fiscal Year Annual Research Report
パーオキシナイトライトの肺・気道傷害機序の解明:炎症性疾患の新治療をめざして
Project/Area Number |
10470148
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Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
一ノ瀬 正和 東北大学, 医学部・附属病院, 助手 (80223105)
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Keywords | 一酸化窒素 / 活性酸素 / 酸化ストレス / スーパーオキサイド / パーオキシナイトライト / 血管透過性 / 喘息 / 慢性閉塞性肺疾患 |
Research Abstract |
本年度は、以下の動物モデルにおけるパーオキシナイトライトの気道炎症(傷害)作用の検討、及び測定装置の開発を行なった。 1. 感作モルモットの遅発型反応モデル 卵白アルブミン(OVA)感作モルモットモルモットにOVA吸入を行い、5-6時間後の遅発型アレルギー反応時の気道炎症を、細胞浸潤及び気道微小血管の透過性を指標として評価した。血管透過性は、モナストラルブルー色素によるpostcapi11ary venule領域の透過性亢進部位の血管内皮間隙の染色を、コンピューター画像解析ソフトで行った。遅発型アレルギー反応時、呼気ガス中の一酸化窒素濃度の上昇及びスーパーオキサイド産生酵素のxanthin oxidase活性上昇(今回の申請で購入した分光蛍光光度計で測定)が認められた。 さらに、チロシンのニトロ化によるニトロチロシン形成も認められ、一酸化窒素とスーパーオキサイドの反応によるパーオキシナイトライト産生が示唆された。一酸化窒素合成酵素阻害薬、xanthin oxidase阻害薬、パーオキシナイトライト消去薬はそれぞれ有意に遅発型反応時の血管透過性亢進を抑制し、本反応でのパーオキシナイトライト産生系の重要性が示された。 2. マウスモデルでの気道過敏性測定装置開発 今後、パーオキシナイトライトの作用をより特異的に検討するためには、ノックアウトマウスの使用が不可欠である。我々は、今年度、マウス人工呼吸器に接続したオッシレーション波形のコンピューター解析装置を作成したので、次年度からのマウスモデルでの検討が可能となった。
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Research Products
(8 results)
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[Publications] N.Endoh et al.: "Relationship between cholinergic airway tone and seru IgE in human subjects." European Respiratory Journal. 12. 71-74 (1998)
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[Publications] Y.Ohuchi et al.: "Induction of nitric oxide synthase by lipopolysaccharide inhalatic enhances substance P-induced microvascular leakage in quinea-pig." European Respiratory Journal. 12. 831-836 (1998)
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[Publications] H.Sugiura et al.: "Role of peroxynitrite in airway microvascular hyperpermeability during late phase in quinea pigs." America Journal of Respiratory & Critical Care Medicine. (in press).
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[Publications] 一ノ瀬正和: "気管支喘息と自律神経機能障害" 日本薬理学会雑誌. 111. 195-203 (1998)
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[Publications] 一ノ瀬正和: "気管支喘息とNeuropeptide" アレルギーの領域. 5. 49-56 (1998)
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[Publications] 杉浦久敏,一ノ瀬正和ら: "気管支喘息とレドックス" 呼吸と循環. 47. 135-142 (1998)
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[Publications] 一ノ瀬正和: "気管支喘息(中村武正、秋山一男編):気道過敏性の成立機序" 南江堂, 238(5) (1999)
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[Publications] 一ノ瀬正和: "呼吸器疾患の分子生物学(川上義和ら編):肺とニューロペプチド" 医学書院, 447(6) (1998)