1998 Fiscal Year Annual Research Report
肺癌抑制遺伝子候補の全CDNA配列、ゲノム構造の決定と変異のスクリーニング
Project/Area Number |
10470151
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Research Institution | Nippon Medical School |
Principal Investigator |
工藤 翔二 日本医科大学, 医学部, 教授 (40256912)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
植松 和嗣 日本医科大学, 医学部, 助手 (10297880)
弦間 昭彦 日本医科大学, 医学部, 講師 (20234651)
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Keywords | Insulin-like qrowth factor 2 Receptor / ゲノム構造 / PTEN / MMAC1 / PTH2 / allelic loss |
Research Abstract |
肺癌抑制遺伝子候補として、Insulin-like growth factor 2 receptor(IGF2R)遺伝子と、PTEN/MMACl遺伝子とホモロジーのある遺伝子の、cDNA、ゲノム構造の解析、変異解析を計画した。IGF2R遺伝子は肝癌、乳癌、消化器癌などのヒト腫瘍において変異が報告されている遺伝子で、その変異により、Transforming-growth factor b(TGFβ)の活性化による細胞増殖抑制の阻害とIGF1Rを通じた増殖促進が起きる。この遺伝子については、全cDNA配列が報告されており、その一部を用いた変異解析により上記の報告がなされた。我々はこの遺伝子の全コード領域のDNA解析を可能にするためゲノム構造を決定しその結果をすでにGenBankに登録した。その後、TGFβ耐性細胞などを中心としたヒト腫瘍における変異解析を行なっている。 肺癌抑制遺伝子候補として、多くの腫瘍の変異が報告されているPTEN/MMACl遺伝子とホモロジーのある遺伝子の一部としてPTH2が報告された。我々はPTH2を含むYAC cloneを単離しその塩基配列を解析した。その結果、PTH2と同一の塩基配列がゲノムに存在し、この配列はpseudogeneであると考えられた。遠隔転移を有する原発性肺癌における33.3%のPTEN/MMAClアレルの欠失の解析結果と併せ投稿中である。今後、細胞周期調節因子を中心に解析を進める予定である。
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