1999 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
10470163
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Research Institution | Nagoya University |
Principal Investigator |
児玉 逸雄 名古屋大学, 環境医学研究所, 教授 (30124720)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
佐久間 一郎 東京大学, 大学院・工学系研究科, 助教授 (50178597)
本荘 晴朗 名古屋大学, 環境医学研究所, 助教授 (70262912)
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Keywords | 心室頻拍 / 活動電位 / 膜電位感受性色素 / 直流通電 / リエントリー / 抗不整脈薬 / 電気生理学 |
Research Abstract |
発光ダイオード(LED)と光ファイバー束を組み合わせた独自の心筋活動電位蛍光シグナル多点同時記録システムを用いて、多形性心室頻拍(PVT)の成立機転とそれに対する薬物の効果をウサギ摘出灌流心で検討した。 1.計測システム:初年度のシステムに改良を加え、記録チャネル数を最高32まで増した。膜電位感受性色素で染色した心臓の心室筋表面に1-5個のLEDを密着させ、その周辺8-32点から活動電位蛍光シグナルを記録した。 2.直流通電によるPVTの誘発:基本刺激(S1)の活動電位受攻期に10-40Vの10ms直流通電(S2)を加えると、S2電極近傍で膜電位が脱分極する領域と過分極する領域が生じて特異点(phase singularity,PS)が形成された。通電直後には、過分極領域から興奮が生じてPSを中心として興奮波が旋回し、リエントリーによるPVTが誘発された。心室全体では、複数のエントリー興奮波が複雑に衝突、融合、消滅を繰り返す現象が観察された。 3.抗不整脈薬の効果:10μM disopyramide(Dis)は心室筋の活動電位持続時間(APD)を延長し、直流通電によるPVT誘発の受攻性を減弱したが、30μM DisはAPD延長作用に加えて心室筋の興奮伝導速度を低下し、PVT誘発の受攻性を増強した。0.1μM E-4031は興奮伝導速度を変化させずAPDを延長し、PVT誘発の受攻性を減弱し、PVT持続時間を短縮した。抗不整脈薬によるAPD延長はPVTの成立・維持を妨げるように作用するが、伝導速度低下はその作用を減弱すると考えられる。 4.β受容体刺激の効果:0.1μM isoproterenolは心室筋のAPDを短縮させるとともに心室におけるAPDの不均一性を増大させ、PVTの周期を短縮し、PVTの持続時間を延長することが判明した。 5.我々が独自に開発した本システムはPVTの成立機転の解明や薬物作用の解析に有用であることが示された。
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Research Products
(4 results)
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[Publications] Mitsuru Yamamoto: "Effects of disopyramide on the reentrant polymorphic ventricular tachycardia induced by DC field stimulation."Environmental Medicine. 43. 45-48 (1999)
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[Publications] Ryoko Niwa: "Effects of isoproterenol on ventricular vulnerability to spiral wave reentry."Environmental Medicine. 43. 49-53 (1999)
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[Publications] Itsuo Kodama: "Regional differences in arrhythmogenic aftereffects of high-intensity DC stimulation in the ventricles."PACE. (in press). (2000)
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[Publications] Itsuo Kodama: "Arrhythmogenic changes in action potential configuration in the ventricle induced by DC shocks."Journal of Cardiovascular Electrophysiology. (in press). (2000)