1998 Fiscal Year Annual Research Report
地域大規模集団における脳卒中・心筋梗塞の発症率の推移と発症者の予後
Project/Area Number |
10470168
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Research Institution | University of the Ryukyus |
Principal Investigator |
柊山 幸志郎 琉球大学, 医学部, 教授 (50037363)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
木村 頼雄 琉球大学, 医学部, 助手 (50177937)
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Keywords | 脳卒中 / 心筋梗塞 / 長期生命予後 |
Research Abstract |
1988年3月31日から1991年4月1日の3年間に、当科では沖縄県全県における脳卒中・心筋梗塞発症者を調査した。3年間の脳卒中発症は4,756件、心筋梗塞発症者は1,059件であった。脳卒中の急性期死亡率(発症30日以内)は12.3%、病型別には、脳梗塞6.5%、脳出血17.3%、クモ膜下出血32.7%、心筋梗塞のそれは22.9%であった(Kinjo K et al.HypertensRes 1992)。 初発例に限ると脳卒中3,644件、心筋梗塞898件で、初発例の急性期死亡率(28日以内)は脳卒中12.8%(脳梗塞5.7%、脳出血17.6%、クモ膜下出血30.4%)、心筋梗塞22.2%であった。脳卒中の発症時の血圧は、脳出血においては急性期死亡の予測因子となりうるが、脳梗塞では急性期死亡の予測因子とはならなかった(Kimura Y et al.Intern Med 1998)。 一部地域において初発例の慢性期死亡率を検討したが(対象者:脳卒中127名、心筋梗塞43名)、平均追跡期間55ケ月の時点での死亡率は脳卒中38.3%、心筋梗塞47.6%で心筋梗塞の死亡率が有意に高かった。しかしながら急性期死亡例を除くと、慢性期の死亡率(平均追跡機間63ケ月)は脳卒中34.2%、心筋梗塞31.8%で差はなかった(平成8年度厚生省循環器病研究委託費による報告集 1996)。脳卒中の病型別の慢性期死亡率、また慢性期死亡に関わる因子を検討したが、症例数が少ないため、十分な検討が行えなかった。 本年は1988年から1991年の発症者全例(5,504名:期間内再発、脳卒中と心筋梗塞の併発例があるため、発症例数の和とは.異なっている)を対象とした生命予後の調査を行っている。1988年4月1日からの死亡小票の調査により、1998年12月31日の時点で、2,465名の死亡が確認できた。現在残りの3,039名につき、住民票を調査し確認作業を行っている。今後カプラン・マイヤー法により、病型別の慢性期死亡率の算定を、またコックス比例ハザードモデルによる慢性期死亡に関わる因子の検討を行う。
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