1998 Fiscal Year Annual Research Report
単色放射光を用いたデュアルコントラスト微小血管造影法の開発
Project/Area Number |
10470171
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (B)
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Research Institution | Tokai University |
Principal Investigator |
田中 越郎 東海大学, 医学部, 講師 (80211366)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
梅谷 啓二 (財)高輝度光科学研究センター, 放射光研究所, 主任研究員
兵藤 一行 高エネルギー加速器研究機構, 物質構造科学研究所, 助手
中澤 博江 東海大学, 医学部, 教授 (20110885)
盛 英三 東海大学, 医学部, 助教授 (90146598)
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Keywords | 血管造影法 / 単色放射光 / 循環障害 |
Research Abstract |
まず、撮影システムの感度や解像度を改善し、コンピュータによる画像処理法を確立することにより、直径50μmまでの血管の評価が可能となるようにシステム全体の改良を行った。X線源には単色放射光を用いた。高エネルギー加速器研究機構のシンクロトロンから得られる白色放射光を、シリコン結晶を用いて、造影剤の主構成原子であるヨードのK吸収端直上のエネルギーレベル33.30keVに単色化した。被写体としてはまず動きのないもの、すなわち小血管内に造影剤を滞留させた摘出臓器を用いた。ビーグル犬を麻酔し、開胸後、左冠動脈の前下行枝にカニューレを挿入し、重量濃度37%のヨードを含有する局所血流測定用マイクロスフェア(直径15μm)の懸濁液(1×10^8個/ml)をこの血管内に用手的に注入した。注入終了後、臓器を提出してホルマリン液中で固定し被写体とした。この被写体は前毛細管から小動脈にかけての血管床または微小管腔内にヨード造影剤を滞留させた状態になっている。次に被写体として生体を用いた。ビーグル犬を麻酔し、腕頭動脈にカテーテルを留置し、37%のヨードを含有する水溶性造影剤をカテーテルから投与しながら頭部の撮影を行った。同様にラットを用いて尾部の血管の造影も行った。被写体を通過した単色放射光をX線用増感紙に吸収させ、そこから発する蛍光をデジタル式アバランシェ型ハイビジョンカメラシステムで2×2cmの視野を擺影した。得られた画像はワークステーションを介してデジタルビデオ・スタックフレームメモリーに保存した。この時の1枚のデジタル画像は、1024x1024のピクセルで構成され、各ピクセルの濃度は4096段階で表現した。以上の方法により摘出臓器のみならず生体においても直径50μmまでの血管を明瞭に可視化することに成功した。
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Research Products
(1 results)