2001 Fiscal Year Annual Research Report
単色放射光を用いたデュアルコントラスト微小血管造影法の開発
Project/Area Number |
10470171
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Research Institution | Tokai University |
Principal Investigator |
田中 越郎 東海大学, 医学部, 講師 (80211366)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
梅谷 啓二 (財)高輝度光科学研究センター, 放射光研究所, 主幹研究員
兵藤 一行 高エネルギー加速器研究機構, 物質構造科学研究所, 助手 (60201729)
中澤 博江 東海大学, 医学部, 教授 (20110885)
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Keywords | 放射光 / 血管造影法 |
Research Abstract |
まず放射光微小血管造影装置の時間分解能の向上を試みた。鉛の円盤に扇形の窓を付け、これを高速で回転させることにより、高速メカニカルシャッターを作成した。この高速メカニカルシャッターを用いて1コマ当りの撮影時間(標準では33ミリ秒)短縮(すなわち時間分解能の向上)を試みた。1コマ当りの撮影時間の短縮に伴い、得られた画像は暗くなるが、アヴァランシェ方式の超高感度型テレビカメラを用いることにより撮影時間の2ミリ秒までの短縮を可能とした。この時間分解能をもって、犬の拍動中の心臓(冠動脈の心筋貫通枝)の撮影を行った場合、収縮期途中でもブレのない明瞭な心筋貫通枝の画像を得ることができた。 また、犬に対しての病的モデル作成も試みた。カテーテルを介して直径15μmのマイクロスフェアを体重当り5x10^5個を冠動脈(左前下行枝もしくは左回旋枝)に選択的に投与した。2か月間後には心臓超音波検査法にて心収縮の低下を確認でき、さらにマイクロスフェアー投与部位心筋のNADH蛍光が陽性であり、同時に局所の乳酸含有量も上昇していた。すなわち少なくとも2か月間は持続する慢性の微小血管性心筋虚血モデルの作成が可能となった。 また肺を用いてデュアルコントラスト造影を試みた。あらかじめラットおよび家兎の肺(肺動脈と気管支)にバリウムおよびセリウムの元素を含んだマイクロスフェアーを充填したものを被写体として使用した。この被写体をバリウムおよびセリウムのK吸収端直上および直下のエネルギーレベルに単色化した放射光をX線源にして撮影し、コンピュータ上でデジタル画像処理を行うことによりそれぞれの脈管を独立して描出することができた。
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Research Products
(4 results)
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[Publications] Nakajima Y, Tanaka E, et al.: "Possible application of plasma x-ray source to clinical radiography"Proc SPIE. 4183. 365-372 (2001)
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[Publications] Sato E, Tanaka E, et al.: "High-intensity quasi-monochromatic x-ray irradiation from the linear plasma target"Proc SPIE. 4505(in press). (2001)
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[Publications] Sato E, Tanaka E, et al.: "Polycapillary radiography using a quasi-x-ray-laser generator"Proc SPIE. 4508(in press). (2001)
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[Publications] Yamashita T, Tanaka E, et al.: "Role of endogenous nitric oxide generation in the regulation of vascular tone and reactivity in small vessels as investigated in transgenic mice using synchrotron radiation microangiography"Nitric Oxide. 5・5. 494-503 (2001)