1999 Fiscal Year Annual Research Report
難治性小児急性リンパ性白血病におけるアポトーシス耐性機序の解明とその克服
Project/Area Number |
10470177
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Research Institution | 山梨医科大学 |
Principal Investigator |
中澤 眞平 山梨医科大学, 医学部, 教授 (90090034)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
手塚 徹 山梨医科大学, 医学部, 助手
犬飼 岳史 山梨医科大学, 医学部, 助手 (30293450)
杉田 完爾 山梨医科大学, 医学部, 講師 (60138055)
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Keywords | 小児急性リンパ性白血病 / 化学療法 / アポトーシス / ステロイド剤 / G-CSF / 多剤耐性 |
Research Abstract |
アポトーシスの抑制が癌発生の重要な機序の1つであるとともに、抗癌剤の多くがアポトーシスを誘導し効果を発揮することが明らかになってきた。難治性小児急性リンパ性白血病は抗癌剤に耐性であり、その機序の1つとしてアポトーシスに関わる遺伝子の何らかの異常が想定される。これまで我々は難治性小児急性リンパ性白血病のアポトーシス耐性機序の解明のために、key drugであるステロイド剤によるアポトーシスを、レセプター(GR)発現と、その核内移行に関与するシャペロン蛋白、およびAP-1やNF-κBなどの転写活性化能の面から研究してきた。また、G-CSF受容体が小児急性リンパ性白血病に発現されており、G-CSFが増殖刺激作用を示すことを明らかにして、G-CSFを化学療法と併用することで、難治性小児急性リンパ性白血病の抗癌剤に対する感受性を高め得る可能性を報告した。さらに、難治性小児急性リンパ性白血病の1つである17;19転座型白血病に由来するE2A-HLFの標的遺伝子として、アポトーシス抑制作用をもつzinc finger型転写因子であるSLUGを同定し報告した。これらのテーマについては、さらに研究を発展・継続している。 また本年度は、急性白血病のもう1つのkey drugであるアントラサイクリン系抗癌剤によるアポトーシスにも重点をおき検討を進めた。50種類のさまざまなlineageの急性白血病細胞株での、ダウノルビシン(DNR)感受性とFas受容体の発現の変化を、多剤耐性に関与するp-glycoprotein MDRの細胞発現と併せて検討した。その結果、約3分の1の細胞株でDNRによりFas受容体の発現が誘導されたが、DNR感受性との間に関連性は認められなかった。引き続き現在DNR感受性を規定する因子を検討中である。
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Research Products
(3 results)
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[Publications] M.Nakamura, K.Sugita, T.Inukai, T.Tezuka, S.Nakazawa ら: "p16/MTS1/INK4A gene is frequently inactivated by hypermethylation in childhood acute lymphoblastic leukemia with 11q23 translocation."Leukemia. 13. 884-890 (1999)
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[Publications] T.Inukai ら: "SLUG, a ces-1-related zinc finger transcription factor gene with antiapoptotic activity, is a downstream target of the E2A-HLF oncoprtotein."Molecular Cell. 4. 343-352 (1999)
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[Publications] T.Inukai, K.Sugita, T.Tezuka, S.Nakazawa ら: "Participation of granulocyte colony-stimulating factor in the growth regulation of leukemia cells from Philadelphia chromosome-positive acute leukemia and blast crisis of chronic myeloid leukemia."Leukemia. (in press). (2000)