1998 Fiscal Year Annual Research Report
急性前骨髄性白血病治療におけるレチノイン酸薬物動態および耐性機構の研究
Project/Area Number |
10470182
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (B)
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Research Institution | Osaka Medical College |
Principal Investigator |
玉井 浩 大阪医科大学, 医学部, 教授 (30179874)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
滝谷 公隆 大阪医科大学, 医学部, 専攻医
三宅 宗典 大阪医科大学, 医学部, 助手 (10268203)
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Keywords | 急性前骨髄性白血病 / レチノイン酸 |
Research Abstract |
1, 臨床研究 全国より送付されたAPL患者の血漿から抽出し、ATRAおよびその代謝産物の測定を行をっている。小児のみでなく成人の検体も送付されており、年齢による血中動態の比較検討も行なっている。また投与法および投与量の比較検討を行ない、臨床データとの比較からATRAの最適投与法を見い出す予定である。その結果、成人症例と小児症例ではATRA濃度の上昇はやや小児において高値を呈したが,最高濃度到達時間、半減期については差はみられなかった。投与法においてはATRA 45mg/m^2、分2投与が通常ではあるが、増量しても分3投与にすると血中濃度には差はみられなかった。透析症例ではATRAの血中動態は変化し、半減期は延長する傾向がみられた。またATRA不応例においての新規ATRA代謝産物の同定も行なっているが、現在まだ新規代謝産物は得られていない。 同時に抗過酸化脂質剤であるビタミン(ビタミンE,β-カロテンなど)、Superoxide Dismutaseの測定を行ない,レチノイン酸治療中における抗酸化能の変化を検討している。 2, 細胞生物学的研究 ATRA耐性白血病細胞を一定の条件下で培養し(ATRA存在下,非存在下)、各々の細胞からmRNAを抽出する。PCRを応用したDifferential Display法を行ない、ATRA耐性に関わる新規遺伝子を検索しているが、現在PCRを行なう条件を検討中である。今後新規遺伝子が得られたら、その全長を取得し、大腸菌を用いて蛋白で発現させ、その機能解析を行なう予定である。またサイトカイン、増殖因子を添加し、細胞特性の変化(フローサイトメトリー、組織学的変化)の検討を行ない、同時にATRA代謝に関係する遺伝子の発現をNorthern blot法で調べている。現在のところ有意に差がみられる代謝関連遺伝子は見い出されていない。今後細胞培養の条件を詳細に検討し、研究を進める予定である。
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