1998 Fiscal Year Annual Research Report
表皮細胞の発生・分化におけるPOUドメイン転写因子の役割に関する研究
Project/Area Number |
10470185
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (B)
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Research Institution | Hirosaki University |
Principal Investigator |
玉井 克人 弘前大学, 医学部・附属病院, 講師 (20236730)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
今 淳 弘前大学, 医学部, 助手 (60271798)
澤村 大輔 弘前大学, 医学部・附属病院, 講師 (60196334)
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Keywords | ケラチノサイト / POUドメインファクター / sknla / 類天疱瘡抗原 |
Research Abstract |
1) 培養ヒト表皮ケラチノサイト由来mRNAをテンプレートとして,POUドメインファクターを,保存領域の配列をプライマーに用いてRT-PCR法にて増幅し,得られたPCR産物について塩基配列を決定した。その結果,sknla(oct-11)およびoct-6がクローニングされた。 2) POUドメインファクターが結合し,転写制御活性を持つことが知られているオクタマー配列を,表皮性プロモーターである230kD類天庖瘡抗原(BPAG1)遺伝子プロモーター上流に接続し,プロモーター活性に与える影響を検討した。その結果,オクタマーモチーフの接続によりプロモーター活性は増強し,その増強効果は4個のオクタマーが連結された時に最強を示し,6個では2個の時と同じ増強活性を有した。 3) sknlaの抗ヒトモノクロナール抗体を用いて,正常ヒト表皮におけるsknlaの発現を検討した。その結果,表皮基底層では細胞質が均質に染色され,有棘層で核内へと移行することが明らかになった。さらに,表皮の増殖亢進と異常角化を病態とする尋常性乾癬では,基底層から有棘層に分化してもsknlaは細胞質内にとどまり,有棘層上層で核内移行する,いわゆるdelayed nuclear translocationが観察された。
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