1999 Fiscal Year Annual Research Report
表皮細胞の発生・分化におけるPOUドメイン転写因子の役割に関する研究
Project/Area Number |
10470185
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Research Institution | Hirosaki University |
Principal Investigator |
玉井 克人 弘前大学, 医学部, 助教授 (20236730)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
今 淳 弘前大学, 医学部・附属病院, 講師 (60271798)
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Keywords | ケラチノサイト / POUドメインファクター / skn1a / 類天疱瘡抗原 |
Research Abstract |
1) POU ドメイン転写因子skn-1a遺伝子のクローニング 表皮細胞特異的に発現するPOU転写因子であるskn-1aのヒト遺伝子をクローニングし、既に報告されているcDNAとの相同領域を決定することにより、エクソン-イントロン構造を決定した。さらに、5'-RACE法によりcDNAの5'末端の塩基配列を決定し、遺伝子の配列と比較することにより、ヒトskn-1aのプロモータ領域を同定した。 2) skn-1aの正常及び乾癬皮膚における発現パターンの検討 抗ヒトskn-1aモノクロナール抗体を用い、免疫組織学的に正常表皮及び乾癬表皮におけるskn-1aの発現パターンを比較検討した。その結果、正常表皮基底層ではskn-1aは細胞質に限局し、基底層直上から顆粒層では核内に限局する、いわゆる核移行が観察された。一方乾癬表皮では、延長した表皮索の部分では基底層のみならず有棘層でも核移行は観察されず、わずかに顆粒層直下の部分で核移行が観察された。乾癬表皮における異常分化にはskn-1aの核移行遅延が関与する可能性が示唆された。
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