1998 Fiscal Year Annual Research Report
マンモグラフィによる乳癌X線集検に伴う放射線リスク評価とリスクベネフィット解析
Project/Area Number |
10470192
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Research Institution | Oita University of Nursing and Health Sciences |
Principal Investigator |
草間 朋子 大分県立看護科学大学, 看護学部, 教授 (50134523)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
赤羽 恵一 大分県立看護科学大学, 看護学部, 助手 (80202521)
判 信彦 大分県立看護科学大学, 看護学部, 講師 (70251220)
甲斐 倫明 大分県立看護科学大学, 看護学部, 教授 (10185697)
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Keywords | マンモグラフィ / 乳癌リスク / 集団検診 / X線装置 |
Research Abstract |
(1)マンモグラフィによる乳癌集団検診の実態の調査 大分県の全医療施設を対象として、マンモグラフィによる乳癌集団検診の実態の調査を行った。調査項目は、使用しているX線装置、撮影条件など被検者の被ばく線量を左右する要因と、撮影対象者をどう選定しているかである。マンモグラフィを乳癌集団検診に実施している機関は少なく、そのほとんどが医師が認めた場合に検診を実施していることがわかった。乳がん家族歴や乳腺疾患既往歴のある者とする機関は少ないながらあった。撮影条件は、管電圧で25kVから40kVと分布し、mAs値は35から150と施設間の違いが大きかった。線量測定に協力してくれる施設において、被検者の被ばく線量の測定をファントムを利用して実施した。線量はmAs値が強く影響した結果、施設間の違いが認められた。 (2)乳癌リスクの推定モデルの検討 放射線照射によって乳腺は固形がんの中で最も感受性の高い組織としてしられている。また、乳癌は女性の閉経期との関係で年齢別発ガン率の傾向に変化が認められることが知られている。マンモグラフィの実施の正当化や最適化の判断に役立てるために、被曝年齢ごとの放射線誘発乳癌のリスクの推定するための乳癌発ガンモデルの理論的検討を行った。原爆被爆者データを基礎データとした解析結果から、birth cohort効果によって乳癌が増加していることをうまく説明できるモデルを作成し、日本における将来の乳癌発生率の推定にも利用できることがわかった。今後は、検診によって発見されたときの乳癌のステージを発ガンモデルでどう表現していくかをさらに検討する予定でいる。
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