1998 Fiscal Year Annual Research Report
人工酸素運搬体を用いた腫瘍細胞酸素化による抗癌剤感受性 増強に関する実験的研究
Project/Area Number |
10470247
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (B)
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Research Institution | Keio University |
Principal Investigator |
小林 紘一 慶應義塾大学, 医学部, 教授 (80051704)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
茂松 直之 慶應義塾大学, 医学部, 助手 (30178868)
田島 敦志 慶應義塾大学, 医学部, 助手 (50276276)
渡辺 真純 慶應義塾大学, 医学部, 助手 (90201227)
堀之内 宏久 慶應義塾大学, 医学部, 助手 (60173647)
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Keywords | 人工酸素運搬体 / 腫瘍細胞の酸素化 / 化学療法 / 放射線療法 |
Research Abstract |
担癌モデルとして、Sato Lung Cancer(SLC)と呼ばれる移植可能な肺癌をDonryu Rat背部皮下へ継代し、各種実験を行った.SLC組織内酸素分圧(PTO2)の測定方法としてはOxyspot(パラジウムコプロポルフィリンをラット頚静脈から静注し,励起後の燐光の減衰消滅時間から腫瘍内酸素分圧を測定する装置.)を採用し、人工酸素運搬体を投与することによる腫瘍内酸素分圧の変化を測定した.【対象と方法】人工酸素運搬体は,酸素溶解能,酸素解離曲線がヒト赤血球ヘモグロビンとほぼ同等な、Hgb-Vcsicleと呼ばれるリポソーム包埋型ヘモグロビンである。SLC移植ラットに頚静脈カニュレーションを施行し,リポソーム包埋型ヘモグロビンを投与した.投与前と投与後の腫瘍内酸素分圧を経時的にoxyspotで測定した.【麻酔と測定条件】ネンブタール 0.2mg/body ip,大気下自発呼吸,保温下及び血圧モニター下にて測定.【結果】Hgb-vesicleはラット1.2.3の3匹で測定した.コントロールとしてラット4.5.6に乳酸加リンゲルを投与した.ラット1.2.3では腫瘍酸素分圧の上昇がみられたが、ラット4.5.6では低下した. ラット1 体重170g Hb-v1.70ml(10ml/kg) 腫瘍径12^*7^*6mm ラット2 体重177g Hb-v1.77ml(10ml/kg) 腫瘍径14^*12^*3mm ラット3 体重150g Hb-v1.50ml(10ml/kg) 腫瘍径12^*10^*4mm 投与前 投与後5分 10 30 60 120 ラット1 PtO2(Torr) 0.470 1.13 0.99 1.15 2.41 3.63 ラット2 PtO2(Torr) 3.95 4.48 8.02 11.8 6.98 ラット3 PtO2(Torr) 3.51 4.15 3.33 5.87 5.70 今後は個体数を重ねて,さらに抗癌剤及び放射線と組み合わせた抗腫瘍効果増強について実験を重ねてゆく予定である.
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[Publications] Eishun Tsuchida,Koichi Kobayashi,et.al.: "Blood Substitutes Present and Future Perspectives" ELISVER, 390(171〜184)
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[Publications] Eishun Tsuchida,Koichi Kobayashi,et.al.: "Blood Substitutes Present and Future Perspectives" ELISVER, 390(315〜326)