1999 Fiscal Year Annual Research Report
膵癌細胞の神経組織浸潤の機序-特に神経栄養因子の関与について-
Project/Area Number |
10470262
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Research Institution | Nagoya City University |
Principal Investigator |
真辺 忠夫 名古屋市立大学, 医学部, 教授 (80127141)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
岡田 祐二 名古屋市立大学, 医学部, 助手 (10305550)
赤毛 義実 名古屋市立大学, 医学部, 講師 (90264720)
竹山 廣光 名古屋市立大学, 医学部, 助教授 (00216946)
田中 守嗣 名古屋市立大学, 医学部, 講師 (10227184)
橋本 俊 名古屋市立大学, 医学部, 助教授 (10094393)
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Keywords | 膵癌 / 神経浸潤 / GDNF / Ret |
Research Abstract |
はじめに 昨年の研究にて、神経栄養因子GDNFが膵癌細胞の浸潤誘導作用を有していることを明らかにした.本年度は[1]この浸潤誘導作用が抗GDNF抗体により阻止されるか.[2]膵癌細胞に対するGDNFの走化性について.[3]手術時に採取された腹腔神経叢においてGDNFが発現しているかどうか.[4]GDNFにより、膵癌細胞膜上に存在するRetレセプターが活性化しているかどうか.以上4項目について研究を行った. 結果 [1]Double chamber invasion assay法を用いて、抗GDNF抗体を添加し、細胞数を計測すると、コントロールにくらべて、有意に細胞数の減少が認められた. [2]Checkerboard analysis法を用いた検討により、GDNFは膵癌細胞に対して、chemotaxisis chemokunesisの両方の作用を有していることが明らかになった. [3]免疫組織学的検討により、腹腔神経叢のうち、神経線維を取り囲む神経鞘細胞に発現が見られた. [4]膵癌細胞をGDNFで刺激し、Retレセプターの活性化をprotein tyrosine kinaseにより測定した.GDNF刺激により、コントロールにくらべ有意に活性が増加した. まとめ GDNFによる膵癌細胞の浸潤誘導はRetレセプターの活性化を介し、細胞内へシグナルを伝達することにより行われている、と考えられた.今後は近年報告されたGDNFファミリーであるNeurturinについても検討を加える予定である.
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