1999 Fiscal Year Annual Research Report
蛍光色素遺伝子導入マウスを用いたアロ抗原の生体内動態追跡による免疫寛容機構の解明
Project/Area Number |
10470274
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Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
白倉 良太 大阪大学, 医学系研究科, 教授 (00116047)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
榊田 悟 大阪大学, 医学系研究科, 助手 (90311753)
福嶌 教偉 大阪大学, 医学系研究科, 助手 (30263247)
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Keywords | 免疫寛容 / T細胞 / マウス |
Research Abstract |
胚移植技術の習熟により、GFP Tg(B6)及びbm12マウスのSPF化に成功した。導入遺伝子の移植実験に対する影響を確認するために、GFP Tg(B6)マウスをドナー及びレシピエントに用いて、B6,bm1,bm12マウスとの間で皮膚移植実験を行った。その結果,導入GFP蛋白は弱い移植抗原として働くが、GFPマウスは通常の移植実験に使用可能なことが明らかになった. 非Tgマウス間の皮膚移植によって次のことが明らかになった。 A:B6マウスにクラスI MHC抗原のみ異なる(B6xbm1)F1脾細胞を10^7個以上静脈内投与すると対応するbm1皮膚移植片が著明に生着延長する。 B:B6マウスにクラスII MHC抗原のみ異なる(B6xbm12)F1脾細胞を10^8個静脈内投与してもbm12皮膚移植片は生着延長しない。 GFPでマークされたB6,bm1またはbm12脾細胞10^7を正常B6マウスに静脈内投与し、1,2,4または8週後にFACS解析を行い,以下のことを明らかにした. C:宿主と同系のB6脾細胞はすべての細胞分画が移入動物内で確認され,徐々に数を減じて移入後8週後には検出されなくなった. D:MHCクラスIの異なるbm1脾細胞はすべての細胞分画が移入動物内で確認されるが,移入後の検出細胞数はB6の場合の約半数で,移入後4週後には検出されなくなった. E:MHCクラスIIの異なるbm12脾細胞は,移入後検出される細胞数,期間はbm1と同様であったが,移入B細胞が特異的早期に消失する事が明かとなった. マウスSPF化が予想以上に困難であったため,今回の知見と免疫寛容現象の関係が明瞭に出来ず、成果の公表には至らなかったが,本アプローチが免疫寛容現象の未知の部分を解明する可能性が示唆された.また,本研究中に開発した分子生物学的手法を用いて,共同研究者は次に記載する論文を発表した
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Research Products
(3 results)
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[Publications] Y. Kawahira, Y. Sawa, S. Sakakida et al.: "In vivo transfer of a β2-adrenergic receptor gene into the pressure-overloaded rat heart enhances cardiac response to β-adrenergic agonist"Circulation. 98. II262-II268 (1998)
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[Publications] Y. Kawahira, Y. Sawa, S. Sakakida et al.: "Gene transfection of beta 2-adrenergic receptor into the normal rat heart enhances cardiac response to beta-adrenergic agonist"J Thorac Cardiovasc Surg. 118. 446-451 (1999)
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[Publications] H. Ueda, Y. Sawa, S. Sakakida et al.: "Gene transfection of hepatocyte growth factor attenuates reperfusion injury in the heart"Ann Thorac Surg. 67. 1726-1731 (1999)