1998 Fiscal Year Annual Research Report
クロムの肺癌暴路によるヒト肺癌発生機序に関する研究(クロム暴路とgenomic instability)
Project/Area Number |
10470276
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Research Institution | The University of Tokushima |
Principal Investigator |
門田 康正 徳島大学, 医学部, 教授 (60028628)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
三好 孝典 徳島大学, 医学部附属病院, 医員(臨床)
近藤 和也 徳島大学, 医学部附属病院, 助手 (10263815)
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Keywords | クロム肺癌 / Microsatellite instability / loss of heterozygosity / ミスマッチ修復遺伝子 |
Research Abstract |
今回、我々はクロムに暴露したヒト肺癌について、3p、5q、9p、17p領域のloss of heterozygosity(LOH)及びMicrosatetlitc instability(MST)について検討した。 【対象】クロム関連工業従事者に発生した肺癌33症例40病変であり、対照例として、組織型、性別、年齢、喫煙指数などの因子を合わせた非クロム肺癌症例を29例選択した。 【方法】肺癌症例のパラフィン包理材料よりmicrodisscction法にて腫瘍、正常組織のDNAを抽出した。PCRは、6つのmicrosatetlitc marker中2つ以上のMSTを認めたものは、クロム肺癌は29例中4例(13.8%)であった。非クロム肺癌におけるMSTの頻度は、従来の報告(0〜34.4%)と差はなかった。クロム肺癌においては、対照例と比較して有意に高頻度にMSTを認めた。また、MStを認めたmarkerの個数がおおいほど、クロム暴露年数が多い傾向にあったが、喫煙指数との関連は認めなかった。3p、5q、17p領域においては、LOH認めた症例の頻度は、クロム肺癌と非クロム肺癌で有意な差は認めなかった。 【結語】クロム肺癌では高頻度にMSTを認めた。今後、クロム肺癌のミスマッチ修復遺伝子の異常について調べる必要があると思われる。
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