1998 Fiscal Year Annual Research Report
末梢神経損傷後の再生過程における発現分子の経時的変化の解析および導入〜再生修復時に発現誘導される既知,未知の分子定量および臨床応用の検討を忠臣に〜
Project/Area Number |
10470310
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Research Institution | Kyoto Prefectural University of Medicine |
Principal Investigator |
平澤 泰介 京都府立医科大学, 医学部, 教授 (40079851)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
岡島 誠一郎 京都府立医科大学, 医学部, 助手 (70305580)
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Keywords | 末梢神経 / 神経再生 / 遺伝子導入 / RLCS / 免疫組織化学 / 免疫電顕 / PCR / クローニング |
Research Abstract |
本研究では,まず第1に末梢神経損傷時における神経栄養因子受容体の発現を経時的に検索した。ラットの坐骨神経を圧挫損傷し1,3,7,14日目に4%パラフォルムアルデヒドで固定した。坐骨神経,L4,5レベルの後根神経節,脊髄を摘出し,各神経栄養因子受容体の分布を免疫組織化学的染色法を用いて検討した。その結果NGF受容体であるTrk Aは損傷坐骨神経のシュワン細胞だけでなく脊髄神経の前角細胞周囲の神経膠細胞に発現しており,末梢神経損傷時における中枢神経系の重要性が明らかとなった。またBDNF受容体であるTrk Bは主に運動神経に分布し,損傷後3日目から7日目にかけて強く発現していることが確認できた。次に神経損傷前後での遺伝子発現の経時的変化を比較検討するために,同様にラット坐骨神経に圧挫損傷を加えた後,1,3,5,7日目のRLCSプロファイルを作製した。千数百の遺伝子に対しスクリーニングを行い,変動する遺伝子を検索した。その結果,変動する遺伝子は30個存在していた。またその数は,神経損傷後5日目に最も多い事が明らかとなった。変動していた遺伝子のうち4個の遺伝子のクローニングとその塩基配列を決定したところ,そのうち3個はcathepsin S,mithochondrial phosphate symporter,uridine monophosphate kinaseであった。これらの遺伝子と神経再生機構との関連についてこれまで報告はなく,新たな知見が得られた。また残りの1つは新規遺伝子であり,この遺伝子機能解析を実験計画に沿って進めていくと共に残りの発現変動する遺伝子のクローニングを行う予定である。以上のように本研究では末梢神経再生修復時に発現誘導される既知,未知の分子定量を行っている。
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Research Products
(7 results)
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[Publications] Y.Hirasawa: "Morphological study of entrapment point of upper extremity." Hand surgery. 3・2. 1-9 (1998)
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[Publications] M.Shirasu: "Localization of tyrosine-phosphorylated proteins in cultured mouse dorsal root ganglion neurons." 16・6. 690-696 (1998)
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[Publications] 藤原浩芳: "上肢の反射性交換神経性ジストロフィーの治療法の検討." 中部整災誌. 41・2. 1070-1069 (1998)
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[Publications] 呂寅幸: "RLCS法を用いたラット坐骨神経損傷後変動する遺伝子の同定." 日手会誌. 15・4. 532-535 (1998)
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[Publications] 玉井幹人: "烏口肩峰アーチにおける神経終末に関する組織化学的研究." 肩関節. 22・3. 459-462 (1998)
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[Publications] 平澤泰介: "整形外科の手術手技" 医科学出版社, 14 (1998)
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[Publications] 平澤泰介: "腰痛・五十肩の診断と治療" 真興交易医書出版, 12 (1998)