1999 Fiscal Year Annual Research Report
神経損傷と細胞内情報伝達系の連関並びにポジトロンによる鎮痛評価法に関する研究
Project/Area Number |
10470313
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Research Institution | Gunma University |
Principal Investigator |
後藤 文夫 群馬大学, 医学部, 教授 (00092015)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
井上 登美夫 群馬大学, 医学部, 助教授 (80134295)
齋藤 繁 群馬大学, 医学部, 助手 (40251110)
石崎 恵二 群馬大学, 医学部, 講師 (50193305)
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Keywords | 神経損傷 / 脊髄後角 / 成長円錐 / 侵害刺激 / G蛋白共役受容体 / セロトニン / 麻酔薬 |
Research Abstract |
「神経損傷とNK-1受容体」:ラットの肋間神経を軽く結紮した新しい神経損傷モデルにおいて、感覚異常の発現と脊髄後角NK-1受容体の発現を検討した結果、神経障害によって2週間をピークにallodyniaが出現し、脊髄後角I,II層のNK-1受容体の発現と関連する結果が得られた。 「局所麻酔薬と神経損傷」:高濃度テトラカインの再生神経組織への影響を、E7 Chick embrio初代培養系を用いて検討した。神経突起先端部(成長円錐)はテトラカインの濃度依存的に形態変化を来し、長時間の暴露後では細胞体にも変化が及び,アポトーシスと思われる形態を示した. 「吸入麻酔薬とG蛋白共役受容体」:代表的な受容体リン酸化酵素である、G protein-coupled receptor kinase-2に焦点を当て、全身麻酔薬がこの酵素の活性及び細胞内局在にどのような影響を及ぼすのかを検討した。その結果、吸入麻酔薬halothaneはG蛋白共役受容体リン酸化酵素GRK-2を濃度依存的に細胞質分画から膜分画へと移動させた。また、halothaneがGRK-2の酵素活性を本来の作用部位である細胞膜においても増強した。以上より、halothaneは脳組織においてβアドレナリン受容体などのG蛋白共役受容体に対して脱感作を促進することが推察された。 「侵害刺激とセロトニン受容体調節」:セロトニン受容体には4つのサブタイプ(5HT 1A, 5HT 1B,5HT2,5HT3)があり、脊髄内侵害刺激伝達に関与している。今回、どのサブタイプが侵害刺激の伝達調節に関与しているのかを明らかにするためラットに機械的刺激試験、熱刺激試験、ホルマリン試験を行った。機械刺激に対して5HT2,5HT3が、熱刺激には5HT_<1A>,5HT2,5HT3が、化学的刺激には5HT2,5HT3受容体が抗侵害刺激を調節している。
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Research Products
(1 results)