1998 Fiscal Year Annual Research Report
副腎再生高血圧症(慢性期)の病因、とくに血管結合織蛋白質代謝の関与
Project/Area Number |
10470332
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Research Institution | Yamagata University |
Principal Investigator |
中田 瑛浩 山形大学, 医学部, 教授 (50009495)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
鈴木 仁 山形大学, 医学部, 講師 (30179238)
笹川 五十次 山形大学, 医学部, 講師 (80196146)
久保田 洋子 山形大学, 医学部, 助教授 (60125763)
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Keywords | 腎血管性高血圧 / 血管作動性物質 / 線条体 |
Research Abstract |
Wistar系雄性ラットの線条体に透析プローブを固定し、1群:片側腎動脈剥離、2群:片側腎動脈狭窄作成、3群:片側腎除神経、4群:片側腎動脈狭窄+除神経を施行した。血圧は、片側腎動脈狭窄群と片側腎動脈狭窄+除神経群では、片側腎動脈剥離群と片側腎除神経群より有意に高値を示したが、片側腎動脈狭窄群と片側腎動脈狭窄+除神経群の間には、差を認めなかった。血漿レニン活性(PRA)、アンギオテンシンI、II(Ang I、II)は、片側腎動脈狭窄群と片側腎動脈狭窄+除神経群で、6-10週目にピークを示した後、漸減し、20週目には血圧と解離し低下した。片側腎動脈狭窄群では、腎のAng II含量は狭窄腎、非狭窄腎とも片側腎動脈剥離群に比べ、高値を示した。線条体細胞外ドーパミン(DA), ジヒドロキシルフェニール酢酸(DOPAC)、ホモバニリン酸(HVA)は、片側腎動脈狭窄群と片側腎動脈狭窄+除神経群で6週をピークに漸減し、14-16週以降ではプラトーとなり、片側腎動脈狭窄群では20週目でも血圧と相関関係を示した。しかしながら、除神経の影響は、DA、DOPACおよびHVAには認められなかった。以上より、2 kidney-1 clip(2K-1C)高血圧の慢性期において線条体ドーパミン代謝物の関与は、急性期に比べ小さくなるが、Ang IIとともに高血圧維持に関与するものと考えられた。しかしながら、除神経の血管作動性物質および血圧への影響は一定の規則性を認めなかった。
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