1999 Fiscal Year Annual Research Report
アルツハイマー型痴呆に伴う神経因性膀胱の成因解明及び遺伝子治療に関する実験的研究
Project/Area Number |
10470334
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Research Institution | Kanazawa University |
Principal Investigator |
横山 修 金沢大学, 医学部・附属病院, 講師 (90242552)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
小松 和人 金沢大学, 医学部・附属病院, 助手 (80291368)
高 栄哲 金沢大学, 医学部・附属病院, 助手 (90283134)
並木 幹夫 金沢大学, 医学部, 教授 (70155985)
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Keywords | アルツハイマー / 痴呆 / 神経因性膀胱 / マイナルト基底核 / アセチルコリン / イボテン酸 / 尿失禁 / 膀胱 |
Research Abstract |
ibotenic acid を用いた前脳基底核破壊により、アルツハイマー型痴呆の類似した病態モデルを作成し、このモデルを用いてアルツハイマー型痴呆による過活動型神経因性膀胱の発生機序について薬理学的検討を行った。 1)M1、M2 受容体アゴニストである oxotremorine M の右側脳室内累積投与により偽手術群(SO 群)では高用量(15 pmol/5μl)で膀胱容量の有意な減少がみられた。BF群(ibotenic acid投与群)では低用量(0.015,0.15 pmol/5μl)で有意な膀胱容量の増大がみられ、高用量で膀胱容量のは逆に減少し二相性の作用が認められた。 2)oxotremorine M の右側脳室内単回投与により SO 群では高用量で膀胱容量の有意な減少がみられた。BF群では膀胱容量が増大した。 3)M1 受容体アンタゴニストである pirenzepine の右側脳室内単回投与により SO 群では膀胱容量の有意な増大がみられた。BF 群も意な増大が認められた。BF 群は SO 群に比べ 10 分の1 の低用量より増大反応が認められた。 4)膀胱容量を変化させない低用量のpirenzepineを前投与したラットにoxotremorine M を投与すると、BF群では、膀胱容量の増大が認められなかった。 5)橋排尿中枢(pontine micturition center;PMC)へのoxotremorine M 局所投与により膀胱容量は減少した。外尿道括約筋活動に変化は認められなかった。 6)PMC への pirenzepine 局所投与により膀胱容量に変化は認められなかった。外尿道括約筋活動にも影響は認められなかった。 アルツハイマー型痴呆類似モデルにおいては、大脳皮質ムスカリン受容体を介する抑制系は、up-regulationされることにより排尿反射の亢進が生じていると思われる。この投射系は M1 受容体を介するものであると思われる。脳幹部の橋排尿中枢における ACh 系は、おもに M2 受容体を介すると考えられ、これは排尿反射に対し促進性に作用していると推測された。
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Research Products
(8 results)
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[Publications] Yokoyama O, Yoshiyama M., et al.: "Glutamatergic and dopaminergic contributions to rat bladder hyperactivity after cerebral artery occlusion"Am J. Physiol. 276. R935-R942 (1999)
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[Publications] Ishiura Y, Yokoyama O, et al.: "Central muscarinic mechanisms regulating voiding in rats"Neurourol Urodyn. 18. 351-352 (1999)
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[Publications] Nakamura Y, Yokoyama O, et al.: "Effects of nifedipine on bladder overactivity in rats with cerebral infarction"J. Urol. 162. 1502-1509 (1999)
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[Publications] Yoshiyama M, Nezu FM, Yokoyama O, et al.: "Influence of glutamate receptor antagonists on micturition in rats with spinal cord injury"Exp. Neurol. 159. 250-257 (1999)
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[Publications] Yoshiyama M, Nezu FM, Yokoyama O, et al.: "Changes in micturition after spinal cord injury in rats"Urology. 54. 929-933 (1999)
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[Publications] Jang SY, Fraser MO, Ozawa H, Yokoyama O, et al.: "Urethral afferent nerve activity effects the micturition reflex implication for the relationship between stress incontinence and detrusor instability"J Urol. 162. 204-212 (1999)
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[Publications] 横山 修: "尿失禁に関する経腔的手術のコツ、臨床泌尿器科のコツと落とし穴3手術療法"中山書店. 165 (1999)
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[Publications] 児玉浩一 横山 修: "脳梗塞ラットモデルを用いた研究法 神経泌尿器科学研究法"日本医学館. 172 (2000)