1998 Fiscal Year Annual Research Report
多発性嚢胞腎のDNA診断法の開発と腎嚢胞形成関連遺伝子の単離
Project/Area Number |
10470338
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Research Institution | Kyorin University |
Principal Investigator |
清水 淑子 杏林大学, 保健学部, 教授 (50255410)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
八巻 明子 杏林大学, 保健学部, 助手 (40296546)
田村 高志 杏林大学, 保健学部, 講師
東原 英二 杏林大学, 医学部, 教授 (00092312)
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Keywords | 多発性嚢胞腎 / DNA診断 / ヒトゲノムBACライブラリースクリーニング / PKD1変異解析 / FISHマッピング / 腎嚢胞形成関連遺伝子クローニング |
Research Abstract |
1. 高頻度に発症する常染色体優性遺伝病である多発性嚢胞賢(PKD1)の直接DNA診断法を確立するためにPKD1にユニークな塩基配列を持つエキソン32から46までの領域における特異的な配列をプライマーに患者のゲノムDNAを鋳型にPCR-SSCP法による解析をおこなった。イントロン42に大きさが異なる複雑な5ケのアリルを見いだした。heterozygosityが高く家系内連鎖解析に非常に有用な多型マーカーであった.エキソン46コドン4234においてGACからGATへの変異を患者107名中7名に見い出した.コドンはどちらもアスパラギン酸であり、single nucleotide多型であった.エキソン45コドン4124におけるC12581Tへの変異でグルタミンから停止コドンへのナンセンス変異を1家系に見い出した。エキソン1から31の領域は類似の塩基配列をもつ遺伝子が同じ染色体の別の領域に複数存在するためユニーク領域の5´末端とユニークでない領域のプライマーをデザインし、RT-PCRを行った。現在約200名の患者のゲノムDNAおよびRNAを鋳型にして全領域における変異検出を目指してPTT法、CFLP法による解析を施行中である。 2. 腎嚢胞形成関連遺伝子を単離するためにPKD1cDNAプローブを用いてヒトゲノムBACライブラリーをスクリーニングし、26クローンを得た。FISH法を用いて7個のクローンを16p13に、19個のクローンを16番以外の染色体にマップした。これらのBACクローンDNAを制限酵素消化後パルスフィールドゲル電気泳動を行った。PKD1cDNAプローブを用いてサザンハイブリダイゼーション法による解析を行い、PKDl様遺伝子を含んでいると予測されるDNAバンドを同定した。22q12に座位したクローン12B9,1p13に座位したクローン461G12から4個のDNA断片を精製し、サブクローニングを行った。現在塩基配列を決定中である。
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