1999 Fiscal Year Annual Research Report
分子生物学的解析による家族性卵巣がんの第一次予防法の開発及び確立に関する研究
Project/Area Number |
10470343
|
Research Institution | NIIGATA UNIVERSITY |
Principal Investigator |
田中 憲一 新潟大学, 医学部, 教授 (10126427)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
青木 陽一 新潟大学, 医学部, 講師 (40231774)
倉林 工 新潟大学, 医学部, 講師 (80234540)
高桑 好一 新潟大学, 医学部, 助教授 (80187939)
|
Keywords | 家族性卵巣癌 / BRCA1 / シブペアー解析 / 癌抑制遺伝子 |
Research Abstract |
1)18家系の家族性卵巣癌家系を新たに集積し、直接シークエンス法にてBRCA1遺伝子の異常を調べた結果、6家系に突然変異を認めた。 2)BRCA1に突然変異を認めない家族性卵巣癌34家系の患者ペアを対象に、X染色体を含む染色体全域を400個のマイクロサテライトマーカー(平均距離9.2cM)にてNon-parametric linkage(NPL)analysisを行った。その結果、multipoint analysisのGENEHUNTERでNPL scoreが2.0以上を示す領域が2q21-22,8q22-24、13q34、16p12、の4箇所みとめられ、two point analysisのSIBPALでp-valueが0.005以下を示す領域が2p12-13、8q22-24、16p12、17q11-22の4箇所認められた。両者ともに高いポイントを示す8q22-24(NPL Score 2.07,p-value=0.0025)と16p12(NPL Score 2.03,p-value=0.0001)の2領域で連鎖が示唆された。 3)BRCA1に異常のない家族性卵巣癌11家系13症例についてComparative Genomic Hybridization (CGH)解析を行った結果、3q24-27、8q22-24、12p13-12領域における遺伝子増幅および1p36-34、3p21-14、5q31-35、6q24-27、7p22-15、8p23-12、9q31-34、12q23-24、13q31-34、16p、16q、17p、17q、18q21-23、22q、Xp領域における遺伝子欠失が高頻度に検出された。 4)以上より連鎖の存在が示唆されかつ遺伝子欠失が高頻度に認められた、8q22-24、16p12、領域に家族性上皮性卵巣癌関連遺伝子の存在が示唆された。
|
-
[Publications] 相田浩、渋谷伸一、田中憲一: "各領域における腫瘍と遺伝との関係"婦人科領域,Molecular Medicine別冊. 10・7. 358-361 (1998)
-
[Publications] 永田寛、田中憲一: "卵巣癌の家族制発生"産科と婦人科. 66・1. 12-17 (1999)
-
[Publications] 関根正幸、田中憲一: "家族性発癌について-婦人科癌と家族性腫瘍-"日本産科婦人科学会雑誌. 51・8. 725-733 (1999)
-
[Publications] 相田浩: "家族性上皮性卵巣癌における関連遺伝子に関する研究"新潟医学会雑誌. 113・9. 418-425 (1999)
-
[Publications] Shinichi Shibuya, Yoichi Aoki, Kenichi Tanaka: "Mutation analysis of the BRCA1 gene in Japanese patients with sporadic ovarian cancer."Int. J. Clin Oncol. 4. 348-352 (1999)
-
[Publications] Katsunori Kashima, Takashi Oite, Kenichi Tanaka: "Screening of BRCA1 Mutation Using Immunohistochemical staining with the C-Terminal BRCA1 Antibody in Familial Ovarian Cancers"Jpn. J. Cancer Reg.. 91.