1998 Fiscal Year Annual Research Report
内耳性難聴とフリーラジカル-過酸化脂質・金属元素・ステロイド・SOD-
Project/Area Number |
10470351
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (B)
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Research Institution | University of Tsukuba |
Principal Investigator |
原 晃 筑波大学, 臨床医学系, 助教授 (10156474)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
瀬成田 雅光 筑波大学, 臨床医学系, 講師 (60282357)
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Keywords | 内耳性難聴 / フリーラジカル / ヒドロキシルラジカル / NOS阻害薬 / 鉄 / アスフィキシア / 虚血 / マンニトール |
Research Abstract |
内耳性難聴の原因解明の為に、以下の実験を行なった。 1) モルモットより蝸牛外リンパを採取し、高速液体クロマトグラフィー及び電気化学検出器を用いて、ヒドロキシルラジカルの定量を行なった。その結果、外リンパに於いてアスフィキシア中及びアスフィキシア解除後、ヒトロキシルラジカルが有意に上昇した。一方、血清中ではヒドロキシルラジカルの産生は認めず、又、ヒドロキシルラジカル反応の基質となるサリヲル酸濃度も、アスフィキシアでは変化を受けなかった。(1999年2月ARO Midwinter Meeting(フロリダ)で発表。) 2) すでに我々が解明したアスフィキシア解除後上昇する鉄濃度にて、外リンパ灌流を行ない、内リンパ電位が急速に低下する事を認めた。従って上昇した鉄が、ヒドロキシルラジカル産生も含め、内耳に障害をもたらすことがわかった。(1998年5月日本耳鼻咽喉科学会総会(札幌)で発表。) 3) フリーラジカル産生にかかわる一酸化窒素合成酵素阻害薬(L-ニトロ-N-アルギニン)投与によって、一過性内耳虚血(30分間)による蝸牛活動電位(AP)の閾値上昇が有意に抑制され、同阻害薬に予防的保護効果のあることがわかった。(1998年5月日本耳鼻咽喉科学会総会(札幌)で発表) 4) ヒドロキシルラジカルのスカベンジャーであるマンニトール投与によって、一過性内耳虚血によるAPの閾値上昇が有意に抑制された。
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Research Products
(3 results)
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[Publications] Tabuchi K,Ito Z,Wada T,Hara A et al: "The effect of mannitol upon coclilear dysfurction induced by transient local ancxia" Hearing Research. 126. 28-36 (1998)
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[Publications] 原 晃: "内耳液動態と難聴" The Cell. 30(12). 469-471 (1998)
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[Publications] 原 晃: "内耳液の動態とグルココルラコイド" Itology Japan. 8(2). 40-46 (1998)