2001 Fiscal Year Annual Research Report
内耳性難聴とフリーラジカル-過酸化脂質・金属元素・ステロイド・SOD-
Project/Area Number |
10470351
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Research Institution | University of Tsukuba |
Principal Investigator |
原 晃 筑波大学, 臨床医学系, 助教授 (10156474)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
瀬成田 雅光 筑波大学, 臨床医学系, 講師 (60282357)
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Keywords | 内耳性難聴 / フリーラジカル / ヒドロキシルラジカル / NO / 一過性虚血 / ステロイドホルモン / 鉄キレート剤 / 音響外傷 |
Research Abstract |
1.ヒドロキシルラジカル 迷路動脈圧迫により一過性虚血動物を作製し、外リンパ中のヒドロキシルラジカルを定量した。その結果、虚血時間30分、並びに60分においても、虚血解除後上昇したヒドロキシルラジカルは解除後2時間以上上昇し続けることが明らかとなった。(原 耳鼻・頭頸,2001) 2.ステロイドホルモン グルココルチコイドを投与し、その蝸牛組織内濃度を液体クロマトグラフィーを用いて測定した。その結果、蝸牛組織においては、肝、血清よりも長時間、高濃度にグルココルチコイド濃度が保持されていることが明らかとなり、難聴治療薬としてのメリットも実証された。(飛田等,Otol Jpn,2001)さらに、グルココルチコイド受容体mRNAを検討したところ、モルモットにおいてもラットと同様にコルチ器、ラセン靭帯、蝸牛軸に分布し、強大音の負荷(120及び130dBSPL、10分間)後、down regulationを受けることが明らかとなった。(Terunuma et al,Hear Res,2001) 3.金属元素 鉄がアノキシア負荷によって蝸牛内で上昇することはすでに明らかとしたが、鉄のキレート剤を一過性虚血動物に投与すると、CAP(蝸牛活動電位)の閾値上昇が抑制されることを明らかとし、一過性虚血による内耳障害に鉄が、ひいてはフリーラジカルが関与していることを実証した。(Tabuchi et al,Neurosc Lett,2001) 4.NO(一酸化窒素) NO Detectorを用いて、一過性虚血動物における外リンパ中のNO濃度について検討した。その結果、一過性虚血解除後に、一過性にNO濃度が上昇することが明らかとなった。
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Research Products
(6 results)
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[Publications] Keiji Tabuchi: "Poly (adenosine diphosphate-ribose) Synthetase inhibitor 3-aminobenzamide alleriates cochloar dysfunction induced by transient ischemia"Annals of Otology, Rhinology and Laryngology. 110(2). 118-121 (2001)
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[Publications] Keiji Tabuchi: "Does xanthine oxidase contribute to the hydroxyl radical generation in ischemia and reperfuston of the cochlea?"Hearing Research. 153. 1-6 (2001)
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[Publications] 飛田 忠道: "蝸牛組織内グルココルチコイド測定の試み"Otology Japan. 11(2). 108-111 (2001)
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[Publications] Keiji Tabuchi: "Protection of outer hair cells from reperfusion injury by an iron chelator and a nitric oxide synthase inhibitor in the guinea pig cochlea"Neuroscience Letters. 307. 29-32 (2001)
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[Publications] 原 晃: "蝸牛障害とフリーラジカル"耳鼻咽喉科・頭頸部外科. 73(11). 735-740 (2001)
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[Publications] Keiji Tabuchi: "Ischemia-reperfusion injury of the cochlea:effects of an iron chelator and nitric oxide synthase inhibitors"Hearing Research. 160. 31-36 (2001)