1998 Fiscal Year Annual Research Report
鼻副鼻腔粘膜の免疫アレルギー疾患にかかわるT細胞を標的とした治療の開発 -分子生物学的手法を用いたヒト鼻粘膜T細胞の解析-
Project/Area Number |
10470356
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (B)
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Research Institution | Shimane Medical University |
Principal Investigator |
川内 秀之 島根医科大学, 医学部, 教授 (50161279)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
石光 亮太郎 島根医科大学, 医学部, 助手 (90301291)
片岡 真吾 島根医科大学, 医学部, 助手 (60152667)
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Keywords | 鼻粘膜 / Tリンパ球 / RT-PCR / アレルギー性鼻炎 / サイトカイン |
Research Abstract |
(1) ヒト鼻副鼻腔粘膜からのリンパ球の採取とヘルパーT細胞の分画の検討。副鼻腔炎あるいはアレルギー性鼻炎患者から鼻粘膜を擦過細胞診により採取し、リンパ球分画を抽出し、種々のモノクローナル抗体を用いたFlow cytometryにより、B細胞およびT細胞分画を解析した結果、各々の患者から解析のために必要な十分量のリンパ球が採取でき、安定した結果が得られ、方法論が確立された。 (2) アレルギー性鼻炎患者についての末梢血Tリンパ球さらには鼻粘膜より採取したTリンパ球のサイトカインプロフィールを検討するため、Th1およびTh2タイプのサイトカインの発現についてRT-PCR法を用いてmessenger RNAレベルで検討した。鼻粘膜由来のリンパ球を用いた検討でも1000個単位のTリンパ球で解析が可能となった。現在、鼻粘膜より採取したTリンパ球を用いてsingle cell RT-PCR法の検討を行っている。 (3) 鼻粘膜を用いた免疫組織化学的検討では、IL-4やIL-5などのTh2タイプのサイトカインについて検討を行った。アレルギー性鼻炎と副鼻腔炎を合併した患者を対象として、免疫修飾作用を有する薬剤を用いて臨床効果を検討した結果、臨床効果と鼻粘膜のTh2タイプのサイトカイン陽性細胞との間に相関が認められた。
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Research Products
(6 results)
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[Publications] 柴 宏巳: "ヒト鼻咽腔粘膜における抗原提示細胞の分布" 耳鼻咽喉科免疫アレルギー. 16(1). 21-25 (1998)
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[Publications] Tomoko Nagata: "Conjugation of ubiquitin-like polypeptide to intracellular acceptor proteins" Biochimica et Biophysica Acta. 1401. 319-328 (1998)
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[Publications] 川内 秀之: "ヒト口蓋扁桃リンパ球のマウスへの移植の試み:NOD-scidマウスを用いた検討" 口咽科. 10(2). 149-160 (1998)
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[Publications] 川内 秀之: "ヒト口蓋扁桃リンパ球のマウスへの移植の試み" 日本耳鼻咽喉科感染症研究会会誌. 16(1). 60-66 (1998)
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[Publications] Hideyuki Kawauchi: "Mucosal immunity of nasopharynx" Proceedings of the X VIIth European Rhinologic Society and International Symposium on Infection and Allergy of the Nose. 83-87 (1998)
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[Publications] Hideyuki Kawauchi: "The Role of Tonsils as an Inductive Site of Immune Response in Nasopharynx" Proceedings of the X VIIth European Rhinologic Society and International Symposium on Infection and Allergy of the nose. 89-93 (1998)