1998 Fiscal Year Annual Research Report
顎顔面骨における骨治癒過程の顎整形力による制御に関する分子生物学的研究
Project/Area Number |
10470372
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
高戸 毅 東京大学, 医学部附属病院, 教授 (90171454)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
引地 尚子 東京大学, 保健管理センター, 講師 (50292876)
須佐美 隆史 東京大学, 医学部附属病院, 助教授 (80179184)
波利井 清紀 東京大学, 医学部附属病院, 教授 (50111539)
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Keywords | 顎顔面 / 下顎骨 / 仮骨延長 / 骨治癒 / 顎整形力 |
Research Abstract |
平成10年度は、基本動物実験系の決定と解析方法の設定について研究を進めた。基本動物実験系の決定は、実験動物としてラットを選択し、片側下顎骨下顎角部で垂直方向に0.5mmの幅で骨離断を行い、骨修復部に対して顎整形力を加えるモデル実験系の確立を目指した。実験動物は、比較的成長発育能が旺盛で、かつできるだけ大きな下顎骨が得られる生後10週、体重約300gのWister系ラットとした。顎整形力の加え方は、持続的付与と断続的付与の二つを試みた。持続的付与は、歯科矯正用チタンニッケルオープンコイルスプリングを用いた延長装置を体内に埋め込み、骨修復部に対し延長方向に50gの力を加える実験系を確立した!また、断続的付与は、ネジによる骨修復部拡大を1日0.5mmづつ行う系を検討した。しかし、この方法は、装置の一部が体外に出るため、装置がはずれるなど改良の余地があり、現在検討を加えている。解析方法の設定は、延長中の骨新生状況の把握、系統的組織学的検索法、in vitro実験法の決定について行った。延長状況は、歯科用X線フィルムを用いることにより、新生骨の形成状態を経時的に把握することが可能であることが明らかとなった。組織学的検討は、リン酸緩衝ホルマリン固定により、免疫組織化学、in situ hybridization、コンタクトマイクロラジオグラフィーを系統的に行う実験法の開発を進めている。In vitroの検討は、新生骨およびその周囲組織を一塊として切りだし、器官培養下でin vitroの状態を再現する方法について検討を開始した。培地はBGJb・10%血清を現在用いている。
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