1998 Fiscal Year Annual Research Report
歯周病原細菌における口腔環境からの生体鉄の獲得および蓄積の分子機構
| Project/Area Number |
10470383
|
|---|
| Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (B)
|
| Research Institution | Kyushu University |
|---|
Principal Investigator |
中山 浩次 九州大学, 歯学部, 助教授 (80150473)
|
|---|
| Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
塩田 進 九州大学, 歯学部, 助手 (00150467)
中山 宏明 九州大学, 歯学部, 教授 (70047744)
|
|---|
| Keywords | ポルフィロモナスジンジバリス / 歯周病 / 嫌気性細菌 / ヘム / プロテアーゼ |
|---|
| Research Abstract |
1) リジン特異的プロテアーゼ(KGP)欠損株の作製
リジン特異的プロテアーゼの遺伝子(kgp)はしでにクローン化されており、このkgp遺伝子DNAを用いてKGPの完全欠損株を作製した。このkgp変異株は血液寒天培地上で集落の黒色化が非常に弱く、菌体表面へのヘム鉄蓄積性にkgp遺伝子が深く関与していることがわかった。また、この変異株ではヘモグロビン結合タンパク質であるHbRドメインタンパク質の産生が遅延していることがわかった。この遅延がヘム鉄蓄積性の減弱をもたらしている可能性が示唆された。
2) アルギニン特異的プロテアーゼ(RGP)およびリジン特異的プロテアーゼ(KGP)の両方を完全に欠く変異株の作製
kgp変異株にrgpAおよびrgpBの変異を連続して導入した株(KDP136)およびrgpA rgpB変異株にkgp変異を導入した株(KDP128)は両株とも血液寒天培地での黒色化を調べるとkgp変異株よりも黒色化の程度が低いことがわかった。このことは血液寒天培地上でのヘム蓄積性にはrgp遺伝子も関与していることを示唆した。
3)ヘム鉄非蓄積性変異株porRのLPS産生能
P.gingivalis porR遺伝子に類似した遺伝子が他の微生物にも存在する。これらの類似遺伝子には糖の生合成に関わるものが多く含まれている。そこでporR変異株のLPS産生能を調べたところ、多糖鎖が顕著に短くなっていることがわかった。この結果は多糖鎖中に含まれる糖の生合成にporR遺伝子が関与している可能性を示唆した。ヘム鉄とLPSとの結合を示唆した報告があり、今回に結果はそのことを支持している。
|
-
[Publications] Watanabe-Kato, T. et al.: "Isolation and characterization of transposon-induced" Microb. Pathogen.24. 25-35 (1998)
-
[Publications] Nakayama, K. et al.: "Haemoglobin receptor prrotein is intragenically encoded" Mol. Microbiol.27.1. 51-61 (1998)
-
[Publications] Abe, N. et al.: "Biochemical and functional properties of Lysine-specific" J. Biochem.123. 305-312 (1998)
-
[Publications] Yamakura, F. et al.: "Inactivation and destruction of conserved tryptophan" Eur. J. Biochem.253. 49-56 (1998)
-
[Publications] Fujimura, S. et al.: "Compaprative properties of envelope-associated arginine" FEMS Microbiol. Lett.163. 173-179 (1998)
-
[Publications] Okamoto, K. et al.: "Involvement of a lysine-specific cysteine proteinase" J. Biol. Chem.273.44. 21225-21231 (1998)
