1999 Fiscal Year Annual Research Report
P.gingivalis が産生するDPPIVの歯周疾患との関連性についての研究
Project/Area Number |
10470386
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Research Institution | The Nippon Dental University |
Principal Investigator |
吉川 昌之介 日本歯科大学, 歯学部, 教授 (80012714)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
才木 桂太郎 日本歯科大学, 歯学部, 助手 (30297973)
高橋 幸裕 日本歯科大学, 歯学部, 講師 (00281436)
古西 清司 日本歯科大学, 歯学部, 助教授 (20178289)
矢島 彩子 日本歯科大学, 歯学部, 助手 (00287773)
熊谷 由美 日本歯科大学, 歯学部, 助手 (90277591)
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Keywords | Porphyromonas gingivalis / DPPIV(dipeptidyl aminopeptidase IV) / 成人性歯周炎 |
Research Abstract |
成人性歯周炎の原因菌とされているPorphyromonas gingivalisはジペプチジルアミノペプチダーゼIV(DPPIV)を産生する。真核生物のDPPIVは様々な生理活性を持ち、エイズや癌との関わりも示唆されているが、細菌のDPPIVの機能はまだ明らかになっていない。本研究ではP.gingivalis DPPIVの成人性歯周炎との関わりを、生化学的、遺伝学的な面から解析することを目的としており、今までにDPPIVをコードする遺伝子(dpp)の完全破壊変異株を作製して、マウスに感染させた実験の結果(膿瘍形成率、体重変化、死亡率の親株(dpp+)との違い)から、本酵素は病原因子であることが示唆された。 本年度は感染動物から病変部分を摘出し、その病理学的解析を行った。その結果、親株を感染させた動物の病変部は変異株による病変部と比較して、炎症性細胞の浸潤の程度が低下し、また組織の破壊がより激しく起きていた。コラーゲン染色により、コラーゲン線維の破壊がより著しく認められた。 さらに昨年までに大腸菌のDPPIV過剰生産株を作製し人工的にdpp遺伝子に変異を導入することで、ぺプチダーゼ活性ドメインとされているC末領域内にある活性に関与する3残基を同定してきた。 本年度はこの系を利用して、活性ドメイン以外にある残基で、真核生物のDPPIVも含めて保存されている残基を人工的に改変して解明を行った。その結果DPPIV活性が消失するアミノ酸残基を認めた。またN末150残基を欠失させた場合にもDPPIV活性が消失した。これらのことからDPPIV活性の発現には、活性ドメインとされているC末領域だけでなく、他の領域も必要であることが示された。 さらにDPPIVはゼラチンを分解する活性があることが明らかになり、本酵素は宿主のマトリックスメタロプロテイナーゼ群(コラーゲナーゼ、ゼラチナーゼ)と協同して、組織の破壊に関与することが推定され、これは上記の動物実験の結果と一致すると思われる。
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Research Products
(1 results)
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[Publications] Kumagai, Y., K. Konishi, T. Gomi, H. Yagishita, A. Yajima, and M. Yoshikawa: "Enzymatic Properties of Dipeptidyl Aminopeptidase IV Produced by the Periodontal Pathogen Porphyromonas and its Participation in Virulence"Infection and Immunity. 68(2). 716-724 (2000)