1999 Fiscal Year Annual Research Report
メカニカルストレスの受容機構と骨芽細胞分化・骨形成促進作用機序の解明
Project/Area Number |
10470388
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Research Institution | Niigata University |
Principal Investigator |
川島 博行 新潟大学, 歯学部, 教授 (40169719)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
石橋 宰 新潟大学, 歯学部, 助手 (70293214)
池亀 美華 新潟大学, 歯学部, 助手 (70282986)
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Keywords | メカニカルストレス / 骨芽細胞分化 / 骨形成 / in situ hybridization / 遺伝子クローニング |
Research Abstract |
培養下のマウス頭蓋冠縫合部にメカニカルストレスを加えると骨芽細胞の分化とそれに続いて骨形成が促進される。骨芽細胞のマーカー遺伝子(In situ hybnidization法、ISH)やアルカリフォスファターゼ活性、細胞の形態学的変化、などを指標に調べた結果、既存の骨芽細胞の近傍にある前骨芽細胞および線維芽細胞様細胞が、まずBMP-4mRNAを発現するようになり、これらの細胞が骨芽細胞に分化することが確認された。BMP-4mRNAの上昇はメカニカルストレス負荷後3時間以内に起こることがわかった。これらの細胞はBMP-4に続いてCbfa1,osteoponitin,osteocalcinなどを順に発現し、通常の骨芽細胞分化と同様に推移することが確認された。このことから、BMP-4は、オートクリン/パラクリン的因子としてと骨芽細胞の分化に寄与すると考えられた。BMP-4がメカニカルストレスによって刺激される骨形成に必須であるか否かを調べるために、アデノウイルスベクターを用いて本遺伝子の発現を変動させる実験が進行中である。また、メカニカルストレスが直接BMP-4遺伝子の転写を調節する可能性についても検討中である。 上記の既知の遺伝子以外にメカニカルストレスの骨形成にかかわる未知の遺伝子を検索するため、メカニカルストレスの負荷により発現状況の変化する遺伝子の検出と単離を、RAP法を用いて検討した。メカニカルストレスにより再現性よく変動する遺伝子を解析した結果、tetranectinおよびadaptinが同定された。また、データベースに登録されている遺伝子とは異なる新規の遺伝子がひとつクローニングされ、この機能について現在検討中である。さらに、メカニカルストレスによって発現レベルの変化する遺伝子を網羅すべく重鎖分化cDNAライブラリーの構築,および,これを用いるクローニングを始めている。
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