1999 Fiscal Year Annual Research Report
ステロイド骨粗鬆症におけるビタミンD代謝異常の解析
Project/Area Number |
10470393
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Research Institution | Ohu University |
Principal Investigator |
堀内 登 奥羽大学, 歯学部, 教授 (00107294)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
松沼 礼子 奥羽大学, 歯学部, 助手 (30296040)
川根 徹也 奥羽大学, 歯学部, 助手 (00265208)
阿部 匡聡 奥羽大学, 歯学部, 講師 (10254872)
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Keywords | 骨粗鬆症 / グルココルチコイド / 1α-水酸化酵素 / 24-水酸化酵素 / ビタミンD受容体 / 転写調節 |
Research Abstract |
グルココルチコイドの大量投与によりステロイド誘導性骨粗鬆症が発症することが知られている。そこで研究代表者は、カルシウムの恒常性を維持する上で極めて重要なステップである腎での25OHD_3代謝に対する、グルココルチコイド、Dexamethasone(Dex)、の効果をin vivoで検討した。その結果、Dexは24-水酸化酵素発現を強く促進し、一方、1α-水酸化酵素発現を緩徐に抑制することを見い出した(Akeno et al. J.Endocinology 164:339-348,2000)。Dexの作用は24-水酸化酵素において強く発現することから、骨と腎の細胞における24-水酸化酵素発現制御に対するDexの作用機構を解明するために、本研究を行った。10^<-7>Mの1,25(OH)_2D_3の存在下で、骨、腎いずれの細胞でも24-水酸化酵素mRNA発現量はDex10^<-6>M添加で著明に上昇した。上昇のピークは骨細胞でDex投与後8時間であったのに対し腎細胞ではDex投与後24時間であった。24-水酸化酵素活性が最高値を示したのは骨細胞、腎細胞とも48時間であった。また、Dexの促進効果は用量依存的であり、10^<-7>Mで有意な上昇がみられ、10^<-6>Mで最大となった。この促進作用は他のステロイドホルモン添加では観察されなかったことから、Dexに対し特異的であった。Dex単独の投与では24-水酸化酵素発現はみられなかった。また、Cycloheximideの前処理によってもDexの促進効果は消失した。Dexは骨と腎において、1,25(OH)_2D_3により誘導された24-水酸化酵素発現を増強する。これはDexにより誘導された転写促進因子がビタミンD受容体複合体と相互作用をすることにより引き起されるものと推察された。
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[Publications] Setsuo Hamada: "Regulation of small intestinal transit by central nervous calcitonin receptor"Hormone and Metabolic Research. 31. 499-504 (1999)
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[Publications] Nagako Akeno: "Regulation of vitamin D-1α-hydroxylase and -24-hydroxylase expression by dexamethasone in mouse kidney"Journal of Endocrinology. 164. 339-348 (2000)