1999 Fiscal Year Annual Research Report
集学的治療による頭頚部癌の分化・アポトーシス誘導に関する基礎的・臨床的検討
Project/Area Number |
10470401
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Research Institution | Kochi Medical School |
Principal Investigator |
尾崎 登喜雄 高知医科大学, 医学部, 教授 (70031995)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
植田 栄作 高知医科大学, 医学部・附属病院, 助手 (10203431)
山本 哲也 高知医科大学, 医学部・附属病院, 講師 (00200824)
米田 和典 高知医科大学, 医学部, 助教授 (90182849)
木村 剛 高知医科大学, 医学部・附属病院, 助手 (10294836)
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Keywords | アポトーシス誘導 / 分化誘導 / p53 / p21 / bcl-2ファミリー / CdK |
Research Abstract |
頭頚部癌に対する有効な集学的治療を確立する目的で、5-FU、放射線(γ線)、およびIL-2によって誘導したLAK細胞による扁平上皮癌細胞のアポトーシス誘導を、cell free系を用いながら検討した。その結果、1)5-FUとLAK細胞による処理では、相加的なアポトーシスの増強しか認められなかったものの、γ線照射後にLAK細胞で処理すると相乗的にアポトーシスが誘導された。2)γ線によるアポトーシス誘導は、ミトコンドリア内の活性酸素レベルの上昇に強く依存していた。3)ミトコンドリア内活性酸素の上昇に伴い、ミトコンドリア膜電位の低下、チトクロームCの放出が観察されたが、Bcl-2ファミリー蛋白の中でBaxのみならず、Bcl-2もその発現が上昇した。4)LAK細胞によるアポトーシス誘導は、Fas-Fas LシグナルおよびgranzymeBによるcaspase-3の活性化と共に、ミトコンドリア内の活性酸素の上昇-チトクロームCの放出が観察され、これらの所見はγ線で前処理した細胞をLAK細胞と混合培養した時、より著明に観察された。これらの結果より、5-FU/γ線で処理した後にLAK療法を行うと、より良好な治療効果が得られることが示唆された。LAK細胞によるアポトーシス誘導の一つの機序として、ミトコンドリア内の活性酸素レベルの上昇が関与していることが明らかとなったが、その機序は本研究からは、未だ明かにすることは出来なかった。さらに、γ線とLAK細胞の協調作用に関しては、γ線処理によるFasの発現の上昇によることを明らかにしたものの、相乗効果はそれのみに依存しておらず、この点の解明も、今後に残された。
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Research Products
(3 results)
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[Publications] Kazunori Yoneda: "The inhibitory action of BOF-A2,a 5-flouorouracil derivative,on squamous cell carcinoma"Cancer Letters. 137・1. 17-25 (1999)
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[Publications] Eisaku Ueda: "Manganese superoxide dismutase negatively regulates induction of apoptosis by 5-fluorouracil,peplomycin and γ-rays in squamous cell carcinoma cells"Japanese Journal of Cancer Research. 90・5. 555-564 (1999)
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[Publications] Tokio Osaki: "Diffuse mode of tumor cell invasion and expression of p53 proteine but not of p21 protein are correlated with control failure in oral carcinoma and their metastasis foci."Oncology. (in press). (2000)