1998 Fiscal Year Annual Research Report
根尖性歯周組織疾患の発症・進展における免疫応答制御機構の多面的解析
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10470405
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Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
島内 英俊 大阪大学, 歯学部・附属病院, 講師 (70187425)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
野崎 剛徳 大阪大学, 歯学部, 助手 (30263304)
佐保 輝之 大阪大学, 歯学部・附属病院, 助手 (10263295)
北村 正博 大阪大学, 歯学部, 講師 (10243247)
島袋 善夫 大阪大学, 歯学部, 助手 (50231361)
岡田 宏 大阪大学, 歯学部, 教授 (40038865)
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Keywords | 根尖性歯周炎 / 免疫応答制御機構 / 根管浸出液 / IL-1β / IL-1ra / 単球 / マクロファージ / LPSトレランス / IL-10 |
Research Abstract |
本年度の研究においては、(1)根尖性歯周炎病巣からの臨床試料のストックを目として、根管浸出液ならびに根尖外科処置時に病巣組織を採取し、-80℃で保存した。(2)根尖性歯周炎病巣におけるPro-およびanti-inflammatory cytokine発現の検討を目的として、根管浸出液中のpro-inflammatory cytokineであるinterleukin(IL)-1βとそのantagonistであるIL-1 recptor antagonist(lL-1ra)のバランスに着目し、その測定を行った。その結果、根管浸出液中のIL-1β濃度とIL-1ra濃度の間には有意の正の相関がみられることが明らかになった。また各試料中のIL-1ra/IL-1βと採取時の臨床症状の関連性についても、自発痛や打診痛などを有するsymptomaticと考えられる症例では同比が有意に低下することが明らかとなり、naturally occuring antagonistであるIL-1raによるIL-1β活性の制御が慢性根尖性歯周炎の急性化に大きな役割を果たす可能性を示した。(3)細菌由来物質の持続刺激による細胞応答性変化に関して、本年度はLPSによるヒト単球/Mφののin vitroトレランス誘導について検討を行った。その結果、口腔内細菌であるPorphyromonasgingivalis由来のLPSを低濃度でヒト末梢血単球に長時間作用させると、古典的な腸内細菌由来のEscherichia coli LPSの場合とは異なり、同細胞からの高濃度LPSによる二次刺激後のIL-6産生を選択的に抑制した。一方、同じ処理によりIL-8産生の低下は認められず、LPSトレランスが全ての細胞機能を抑制するものでないことを明らかにした。さらにこのP.gingivalis LPSによるIL-6産生の抑制は、同LPS前処理後に生じたIL-10のearly up-regulationのオートクライン作用によるものであることを示した。
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Research Products
(2 results)
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[Publications] Shinauchi H.et.al.: "Balance of Interleukin-1β and Interleukin-1 Receptor Antagonist in Human Periapical Lesions" Journal of Endodontics. Vol.24(2). 116-119 (1998)
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[Publications] Shimauchi H.et.al.: "An Autoregulatory Effect of Interleukin-10 on Proinflammatory Cytokine Production by Porphyromonas gingivalis Lipopolysaccharide-Tolerant Human Monocytes" Infection and Immunity. Vol.67(5)(印刷中). (1999)