1999 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
10470423
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Research Institution | Tsurumi University |
Principal Investigator |
阿部 實 鶴見大学, 歯学部, 講師 (10089427)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
鈴木 恭典 鶴見大学, 歯学部, 助手 (70257335)
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Keywords | 疼痛閾値 / 義歯床下粘膜 / 裏装材 |
Research Abstract |
顎堤が高度に吸収し,粘膜が菲薄化した無歯顎難症例に対し,軟質裏装材の使用は選択肢の一つである.現在,多くの軟質裏装材が市販されているが,材質や使用期間が異なり,各軟質裏装材に対する適応症は明確ではない.そこで疼痛閾値の異なる全部床義歯装着者に対し,特性の異なる軟質裏装材および硬質裏装材を貼付した義歯を使用させ,各裏装材が義歯機能と使用感に及ぼす影響について検討した. 被験者は上下顎無歯顎患者6名とし,顎堤粘膜疼痛閾値計を使用して,下顎顎堤の疼痛閾値の計測を行い,疼痛閾値の高いグループと低いグループに分類した.使用した軟質裏装材はCOE-SOFT,SR-100,デンチャーリライニングミディアム,硬質裏装材はリベロンLCを使用し,筋電図の測定と使用感の調査を行った. 疼痛閾値の低い患者は,軟質裏装材を使用することにより義歯機能が向上し,患者の高い満足を得ることが示された.逆に疼痛閾値の高い患者では軟質,硬質裏装材ともに高い満足が示されたが,軟質裏装材の貼付により,義歯機能が低下する傾向が認められた.このことから疼痛閾値の高低により,適切な軟質裏装材を選択できる可能性が示唆された.
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