1998 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
10470424
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (B)
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Research Institution | Asahi University |
Principal Investigator |
森脇 豊 朝日大学, 歯学部, 教授 (90028738)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
亀水 秀男 朝日大学, 歯学部, 助手 (00152877)
後藤 隆泰 朝日大学, 歯学部, 講師 (30121320)
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Keywords | 歯科鋳造用埋没材 / リン酸アルミニウム / 亜リン酸アルミニウム / 加熱時膨脹 / 耐火材 / 鋳造収縮の補償 |
Research Abstract |
使用した亜リン酸アルミニウムは、微細な結晶粒であるが球状に整粒されているため、従来の埋没材に配合した場合も混水比にほとんど変化を及ぼさなかった。亜リン酸アルミニウムを加熱した場合の熱・重量的変化から、原材料は合成反応後100℃に加熱処理して無水結晶としているため、100℃までは変化なく、熱分解の主要な変化は約400℃付近で起こっていた。亜リン酸アルミニウムは加熱により分解し、非晶質になるが温度上昇、時間経過により結晶化、結晶成長が進行し、耐火材として機能するオルソリン酸アルミニウムとメタリン酸アルミニウムに変化した。(熱分析、X線回折法) 石こう系埋没材(耐火材:溶融シリカ、結合材:硬石こう)に亜リン酸アルミニウムを配合した場合の膨張挙動を検討した結果、その配合量により埋没材の膨張量も自由に調節できた。また、鋳造収縮を補償するに充分な熱膨張量であるため、加熱膨張のみによる歯科鋳造用埋没材の可能性が示唆された。さらに、亜リン酸アルミニウムの熱分解による膨張が400℃付近で発現することからクリストバライト、石英のα-β転移との併用によって、比較的直線的な熱膨張特性を示す埋没材(耐火材:石英、クリスバライトの混合、結合材:硬石こう)の可能性も示唆された。 試みに銀パラジウム金合金(キャストウエル)を鋳造して、その適合性(MOD金型)、鋳肌の検討を行ったところ、いずれも非常に良好な結果を得た。 次年度は、亜リン酸アルミニウムの加熱時膨脹の機構を組織学的に観察してみる。また、亜リン酸アルミニウム系埋没材の諸性質(焼成強度、硬化膨脹量、表面あらさ等)を調べるとともに鋳造性ならびに適合性についても詳細に検討する。
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Research Products
(1 results)