1999 Fiscal Year Annual Research Report
HIVおよびHTLV-I感染症における口腔病変の成因に関する研究-特に唾液腺細胞の特性について-
Project/Area Number |
10470435
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Research Institution | Kyushu University |
Principal Investigator |
安部 喜八郎 九州大学, 歯学部, 助教授 (20117055)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
寺本 憲功 九州大学, 歯学部, 助手 (40294912)
中村 誠司 九州大学, 歯学部, 講師 (60189040)
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Keywords | HIV / HTLV-I / シェーグレン症候群 / 自己免疫疾患 / T細胞 |
Research Abstract |
1.HIVが破壊するCD4陽性リンパ球より分泌される種々のサイトカインが唾液腺細胞を障害し、シェーグレン症候群様症状が発現するという仮説の下に唾液腺細胞に対するサイトカインのチャネルレベルでの影響を検索した。しかし、正常唾液腺細胞の各種チャネルの研究が全くないので、ウサギ顎下腺単離腺細胞を用いパッチクランプ法にて生理学的特特性を検索した。その結果、2種類の異なるカリウムチャネルをシングルチャネルレベルで記録することに成功した。CAMP依存性カリウムチャネル(1)とATP感受性カリウムチャネル(2)である。このチャネル(2)の発見は今回が世界初の知見である。1)チャネルコンダクタンスが約75ps、2)インサイドアウト法により細胞内ATP濃度を急激に減少させるとそのチャネル活性が上昇する、3)細胞内ATP投与によりチャネル活性が消失し、4)スルフォニル尿素性剤であるglibenclamide投与でチャネル活性が抑制される点より、膵臓B細胞で観察されるKATPチャネルに極めて近い電気生理学的性質を有することが示唆された。今後これらのチャネルに対する各種サイトカインの影響を検索すると同時に、ヒト唾液腺細胞でも同様のKATPチャネルが存在するか否か、また、このKATPチャネルの唾液分泌における生理学的役割等を詳細に検討する予定である。 2.
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