2000 Fiscal Year Annual Research Report
HIVおよびHTLV-I感染症における口腔病変の成因に関する研究-特に唾液腺細胞の特性について-
Project/Area Number |
10470435
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Research Institution | Kyushu University |
Principal Investigator |
安部 喜八郎 九州大学, 歯学部・附属病院, 助教授 (20117055)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
寺本 憲功 九州大学, 大学院・医学研究院, 助手 (40294912)
中村 誠司 九州大学, 歯学部・附属病院, 講師 (60189040)
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Keywords | HIV / HTLV-I / 自己免疫疾患 / シェーグレン症侯群 / 唾液腺 / サイトカイン / T細胞 |
Research Abstract |
これまでの我々の検索ではHTLV-I陽性患者における唾液分泌障害は、HTLV-Iに感染したT細胞が発症に関与していることが示唆された。唾液腺内でのT細胞由来のサイトカインの産生は、IL-2やIFN-γといったTH1タイプのCD4陽性T細胞によって産土されるサイトカインが主体であった。さらに、それらT細胞が発現するT細胞レセプター遺伝子を解析したところ、特定のT細胞レセプター遺伝子を発現するT細胞が集積していることが示され、それらT細胞の一部はHTLV-Iに感染していないシェーグレン症候群患者の唾液腺内にも検出できた。これらの結果より、HTLV-I感染者では自己反応性T細胞がHTLV-Iに感染することにより活性化・増殖し、自己免疫疾患であるシェーグレン症候群の発症を惹起することが強く示唆された。 また、サイトカインが如何に腺房細胞のチャネルに影響するかをウサギ顎下腺腺房細胞を用いて検索を試みた。しかし、腺房細胞にどのようなチャネルが存在するのかさえ不明であったのでチャネルの検索を行った。その結果、世界で初めてウサギ顎下腺腺房細胞のカルシウム依存性カリウムチャネルを電気生理学的に検索し、そのチャネルが電位依存性・細胞内カルシウム濃度依存性であることが判った。
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