1999 Fiscal Year Annual Research Report
遺伝子工学を用いた口腔癌の悪性度解析と癌治療への応用
Project/Area Number |
10470440
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Research Institution | Department of Oral Surgery, Sapporo Medical University School of Medicine |
Principal Investigator |
田中 信幸 札幌医科大学, 医学部, 助教授 (50163548)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
小田島 哲世 札幌医科大学, 医学部, 講師 (00177239)
吉田 幸一 札幌医科大学, 医学部, 講師 (60117653)
山口 晃 札幌医科大学, 医学部, 助手 (10210353)
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Keywords | 遺伝子工学 / 口腔癌 / p130 / 悪性度 / β-カテニン / p53 / p16 |
Research Abstract |
131例の口腔扁平上皮癌症例に対してp130ポリクロナール抗体を用いて免疫染色を施し、p130蛋白の発現と臨床病理学的所見との関連性について、検討したところ、高分化型の症例にp130は多く発現し、臨床病理学的悪性度が低い症例に多く発現がみられた。 13例の口腔悪性黒色腫症例について、p130、Rb、p53、p16の蛋白発現を検索したところ、p130は口腔悪性黒色腫では極めて稀な生存期間が10年以上の症例のみに発現がみられ、p53は逆に生存期間が1年未満の症例のみに発現がみられた。 100余例の口腔白板症におけるp130、Rb、p53の蛋白発現を検索したところ、高度な異型性を伴うに従い、p130、Rbの発現は減じ、p53の発現は増加していた。これより、p130、Rb、p53の蛋白発現の検索は口腔白板症の癌化を予測する上で有意義であると思われた。 34例の口腔扁平上皮癌における細胞接着因子β-カテニン遺伝子の突然変異と蛋白発現、上皮増殖因子受容体EGFRの発現、浸潤・転移との関係について検索した。β-カテニン遺伝子の突然変異が示唆されるβ-カテニン蛋白の細胞質ないし核内蓄積例を含め、口腔扁平上皮癌の34例全例と樹立培養細胞株8株にβ-カテニン遺伝子の突然変異は検出されなかった。しかしβ-カテニン蛋白の細胞質ないし核内蓄積は癌の浸潤やβ-カテニン蛋白のチロシンリン酸化に関係するEGFRの発現を伴っていた。β-カテニン遺伝しの検索は癌の悪性度解析に有用である。
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Research Products
(2 results)
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[Publications] Tanaka N,et.al: "Immunohistochemical expression of p130 oncogene in oral squamous cell carcinoma referred to histopothological findings"Oral Oncology. IV. 75-78 (1999)
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[Publications] Tanaka N,et.al: "Immunohistochemical investigation of new suppresor oncogene p130 in oral squamous cell carcinoma"European J of Cancer. 35.3. 321-325 (1999)