1998 Fiscal Year Annual Research Report
インプラント治療における骨造成法の骨塩量減少状態の影響について
Project/Area Number |
10470442
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Research Institution | Showa University |
Principal Investigator |
倉地 洋一 昭和大学, 歯学部, 助教授 (70112729)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
真鍋 真人 昭和大学, 歯学部, 講師 (30190557)
桜田 重世 昭和大学, 歯学部, 講師 (00112730)
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Keywords | インプラント / チタン / 低骨塩動物 / 骨塩量 / 骨造成法 |
Research Abstract |
近年、純チタンを素材としたインプラント治療が口腔諸機能の回復に優れた臨床成績を示し、予知性の高い治療法として広く臨床応用されている。一般に、顎骨の形態や骨質がインプラントの予後に大きな影響を与えることは良く知られており、骨量が不十分な場合には、種々の骨造成法が行われている。しかし、高齢者や骨粗鬆症など骨塩量が減少している患者に、これらの骨造成法を行った場合の病態生理についてはほとんど検討されていない。そこでわれわれは、当教室で作成した低骨塩動物モデルを用いて、骨造成法において骨塩量の減少が骨形成、骨修復過程にどのように影響するかについて検討した。初年度は、骨欠損部へ脱灰骨基質を添加した時の骨塩量減少による影響について検討した。実験方法:低骨塩動物としては雌性家兎の左右卵巣を摘出し、低カルシウム食で1か月飼育した動物を使用した。家兎の下顎に直径4mmx深さ4mmの骨欠損を作成し、骨欠損単独および脱灰骨基質添加群について経時的に骨塩量の測定し、動物を屠殺後、非脱灰研磨切片を作成して組織学的に検討した。なお、コントロールとして正常家兎を用いて同様な処置を行った。結果:骨欠損単独での骨塩量はコントロールに比べ4週では8%、8週では35%減少した。また、脱灰骨基質を併用した群では4週、8週ともに約20%の減少を示した。組織学的所見では低骨塩動物は骨欠損単独、脱灰骨基質添加群ともに骨形成が遅延する傾向であった。これらの結果をふまえ、現在、上顎洞挙上術のモデル実験において、骨塩量の低下による骨形成、骨修復過程における影響について検討中である。
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