1998 Fiscal Year Annual Research Report
歯の移動における歯根膜細胞の役割に関する細胞組織学的、分子生物学的研究-クローン分析のヒト歯根膜細胞への応用-
Project/Area Number |
10470446
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Research Institution | Okayama University |
Principal Investigator |
山本 照子 岡山大学, 歯学部, 教授 (00127250)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
山下 和夫 岡山大学, 歯学部, 助手 (50304316)
宮本 学 岡山大学, 歯学部, 助手 (40252978)
山城 隆 岡山大学, 歯学部, 講師 (70294428)
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Keywords | 歯根膜細胞 / クローン分析 / in situ ハイブリダイゼーション / アルカリファスファターゼ |
Research Abstract |
クローン分析の手法を用いて分化段階に応じて単一の歯根膜細胞から由来するコロニーを分離することにより多様な形質を発現する歯根膜細胞を均一な細胞集団毎に分離・培養して、歯根膜細胞の培養系を確立することと、その培養系を用いて歯の移動における歯根膜細胞の役割を解明することを目的に以下の実験を行っている。 矯正治療の必要性で抜歯と決定された小臼歯や第三大臼歯の歯根から歯根膜を剥離し、細片にして、培養ディシュにのせ、10%ウシ胎仔血清含有Dalbecco's Modified Eagle's Medium(DMEM)で培養し、2-3日毎に培養液の交換を行う。この様にして培養を続けると10日〜2週間後に細長い線維芽細胞様の細胞がアウトグロースして歯根膜組織片のまわりの培養ディシュを被うようになり、さらに培養を続けてゆくと丸い形の細胞が次にアウトグロースしてくる。20日頃にはその様な丸い形の細胞が歯根膜組織片のまわりを囲いその外側に先にアウトグロースした細長い線維芽細胞様の細胞力に培養される。 組織片を酵素処理した場合、上記の形態を含む様々な形態の細胞が培養ディッシュに付着し、主に線維芽細胞様細胞が増殖した。これらの細胞のうち線維芽細胞様細胞以外は免疫染色法によりcytokeratin抗体に染色され、歯根膜組織に歯肉以外の上皮由来細胞が多数混入していることが示唆された。また基本培地数種について、それぞれの形態の違う細胞の増殖に対する影響を検討したが、特に線維芽細胞様細胞以外の形態の細胞を積極的に支持する培地はなかった。また、これらの中間の形態をした細胞も培養ディッシュを位相差顕微鏡で調べると、ところどころにひとかたまりになって存在していた。現在、このような形態的に異なる細胞の特徴を免疫組織化学的、分子生物学的手法にて解析中である。さらに、96we11にて単一細胞に分離分散した歯根膜線維芽細胞を培養し、数種のクローンを分離してヌードマウスへの移植組織片を作成中である。
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