1998 Fiscal Year Annual Research Report
先天性顎顔面奇形マウスを用いた片側顔面萎縮症の成因に関わる研究
Project/Area Number |
10470456
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Research Institution | Shimane Prefectual Shimane Women's College |
Principal Investigator |
直良 博之 島根県立島根女子短期大学, 家政科, 助手 (70222156)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
大谷 浩 島根医科大学, 医学部, 教授 (20160533)
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Keywords | 片側顔面委縮 / 小耳症 / 挿入突然変異 / 遺伝性疾患 / Hemi facial microsomia |
Research Abstract |
遺伝的片側顔面委縮症モデル動物であるHfm系マウスにおいて、原因遺伝子の単離および病態の解析を行い、以下の研究成果を得た。 1. Hfm系マウスにおける突然変異領域に対応する野生型マウスの遺伝子領域を単離し、その中に進化的に保存されている領域を確認した。その領域をプローブとし、マウス7.5日胚のcDNAライブラリーを検索した。その結果独立した3クローンを単離した。それぞれのクローンの塩基配列および既知の遺伝子との関連について現在解析中である。 2. 突然変異系統における欠失領域をさらに広くクローニングするため、すでに単離済みの領域をプローブとして、新たにPl phage genomic libraryをsystematic PCRにて検索した。その結果、欠失領域を含む新たな3クローンを単離した。 3. 突然変異領域付近にマップされている既知の遺伝子のcDNAをプローブとし、Hfm系マウスの染色体DNAに大きな構変化が生じているのかを検索した。今回検索した既知の候補遺伝子について、欠失等の大きな構造変化は現在認められていない。 4. 目m系マウスを継代飼育し、病態の発生や、その他の異常について観察した。その結果、これまで見過ごされていた、もしくは観察されていなかった新生児期における食殺や、成長期における突然死等が高率で認められ、生後7週までの生存率は約6割であった。この結果は、顔面の形態異常に加え、何らかの未知の異常が生じていることを示した。また、中耳、内耳の形態について改めて詳細な発生学的解析を行ったところ、胎生期において耳管鼓室陥凹や口蓋における新たな形態異常が認められた。
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