1998 Fiscal Year Annual Research Report
創薬を指向したインドロカルバゾールを共通骨格とする抗ガン性天然物の短工程合成研究
Project/Area Number |
10470466
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (B)
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Research Institution | Kanazawa University |
Principal Investigator |
染井 正徳 金沢大学, 薬学部, 教授 (20110546)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
山田 文夫 金沢大学, 自然科学研究所, 助教授 (80135087)
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Keywords | インドロカルバゾール / インジゴ / 2,2'-ビスインドール / 1-ヒドロキシインドール / インドールアルカロイド / インドリン / 天然物合成 |
Research Abstract |
我々は、工業原料であるインドリンから独自に開拓してきた1-ヒドロキシインドールの一般合成法を活用し、僅か3工程でインドロ[2,3-α]カルバゾール母核化合物を創り出すという、独創的な反応を開拓した。また人類最古の染料であり、工業的生産法も確立されたインジゴを還元して、2,2'-ビスインドールおよび3-アセトキシ-または1-アセチル2,3-ジヒドロ-2,2'-ビスインドールを選択的に得る、独自の合目的的な1工程反応をも確立した。これらの知見を基盤として、抗ガン、抗ウイルス作用等を有する一連のインドロ[2,3-α]カルバゾール天然物の代表として、6-シアノ-5メトキシ-12-メチルインドロ[2,3-α]アルバゾールを標的化合物として選択し、インジゴを出発原料として、簡便な3ルートによる短工程全合成法を開拓し、本アルカロイドの最初の全合成に成功した。 第一のルートは、通算収率5%、独創率25%、第二のルートは、通算収率13%、独創率43%であり、第三のルートは、通算収率46%、独創率43%という優れた方法であり、インドロ[2,3-α]カルバゾール誘導体群を、多種類かつ多数合成出来る可能性を拓いた。また、これらの合成法により作りだされる各種の反応中間体は、酸素官能基を有するインドロ[2,3-α]カルバゾールおよび関連化合物群の合成にとって、有用なビルディングブロックであり、今後の本研究を進展させるための基礎を築く事が出来た。 また、1-ヒドロキシトリプタミンとジアゾメタンを反応させると側鎖上でのホモロゲーションを起すこと、1-エトキシ-2フェニルインドールを光照射すると、1位エトキシ基が3位や6位に転位すること等、新規な反応を見出し、原料合成段階での興味ある基礎知見を得ることが出来た。
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[Publications] M.Somei: "Synthesis of 1-hydroxy tryptamines and serotonins having fattyacyl or (E)-3-phenylpropenyl devivatives as a Nb-substituent and a novel homologation-" Heterocycles. 48(6). 1117-1120 (1998)
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[Publications] K.Yamada: "Photo-induced rearrangement of 1-ethoxy-2-phenylindole" Heterocycles. 48(12). 2481-2484 (1998)
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[Publications] M.Somei: "1-Hydroxyindoles" Heterocycles. 50(2)(印刷中). 50 (1999)