1999 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
10470470
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Research Institution | The University of Tokushima |
Principal Investigator |
長尾 善光 徳島大学, 薬学部, 教授 (40027074)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
佐野 茂樹 徳島大学, 薬学部, 助教授 (20226038)
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Keywords | システインプロテアーゼ / カテプシン / ミューカルパイン / 酵素阻害 / 反応カスケード / ピロリノン / エポキシコハク酸 / ペプチジルアルデヒド |
Research Abstract |
我々は各種カテプシン類ならびにμ-カルパイン等のシステインプロテアーゼに対する新規な特異的阻害剤の合成開発研究を実施展開している。先ず我々は、独自に開発したα-アルキニル置換マロン酸ジエステル体の加水分解・脱炭酸・クムレンあるいはアレン形成という一連の反応カスケードを利用し新規なジペプチドピロリノン誘導体の合成に成功した。それら新規ピロリノン誘導体をカテプシンBおよびLに対する酵素反応阻害実験に付したところ、L-lle-L-ProOHを有する5S-OH-3-ピロリン-2-オン体はカテプシンBに対して最も強力な阻害活性を示しカテプシンLに対して有意な阻害活性を示さなかった。また、各種2S,3S-エポキシコハク酸L-lleピペラジン誘導体を合成しμ-カルパイン及びカテプシンBに対する酵素反応阻害実験を行ったところ、ピペラジンの置換基として2-クロルフェニル基を有する化合物はμ-カルパインに対して最も強力な阻害活性を示し、カテプシンBに比べて40倍程度強い阻害活性を示すことが明らかとなった。次いで、3種の新規なビフェニルL-Val-アミノアルデヒド類を合成しカテプシンB、L、K、Sならびにμ-カルパインに対する酵素反応阻害実験に供したところ、使用した全てのSH酵素に対して強力な阻害活性を示した。なかでもL-シクロヘキシルアラニンアルデヒド体は若干ではあるが他のシステインプロテアーゼに対するよりもカテプシンKに対してより強い阻害活性を示すことが明らかとなり将来へ向けての有用なリード化合物となることが期待された。
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Research Products
(2 results)
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[Publications] Jun Inoue: "Syntheses and SH-Enzyme Inhibitory Activities of New Epoxysuccinic Acid-Piperazine Derivatives against μ-Calpain and Cathepsin B"Drug Design and Discovery. 16・. 165-169 (1999)
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[Publications] Yoshimitsu Nagao: "Synthesis of a New Class of Cathepsin B Inhibitors Exploiting a Unique Reaction Cascade"Tetrahedron Letters. 41(in press). (2000)