1999 Fiscal Year Annual Research Report
機能性RNA分子のX線構造解析による構造基盤解明と医療への展開
Project/Area Number |
10470476
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Research Institution | University of Shizuoka |
Principal Investigator |
藤井 敏 静岡県立大学, 薬学部, 教授 (10107104)
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Keywords | 機能性核酸 / 蛋白質結晶解析 / ドラッグデザイン / リボザイム / インフルエンザ / 構造生物学 |
Research Abstract |
蛋白質・核酸などの生体高分子の結晶構造解折において重要で困難な過程は結晶化である。本研究が目指すドラッグデザインに耐える高分解能の結晶構造解析では大きなキーポイントである。様々な「Crystallizability」の手法を導入して、良質結晶の作成条件の迅速かつ合理的な検討を行っている。前年度では溶液中の凝集状態をモ二夕ーする装置を購入し、均一な溶液状態に誘導することで、結晶化効率を上げることを行った。今年度では、析出結晶の評価点数化を行い、実験計画法の概念で合理的かつ少量試料での検討を行うこととした。そのために実体顕微鏡および画像処理装置を購入した。最近、2つのリボザイム(デルタ型リボザイムとグループIイントロン〉のX線構造解析が報告されたが、その座標も基に我々が開発したプログラムを使って、座標より各種構造パラメータを算出・整理し、その相関解析を行った。従来の構造パラメータとは異なるキンクパラメータを用いた相関研究を行い、そのデータベース化と利用の実績を高めた。この結果を国際結晶学会および核酸化学シンポジュウムにて報告した。同様な研究手段で、われわれが解析を行ってきたヒト・リゾチームの32変換体の結晶構造について実施し、その成果を第5回日中健康科学フォーラムにて発表した。横浜国立大学工学部上杉博士らの共同研究で、通常の塩基対形成を採らない塩基配列をもち4重らせん構造をとる核酸について、その合成結晶化を行っている。予防薬開発の可能性を考え、このウィルスタンパク質を認識する核酸アプタマー分子も取上げた研究を行っている。静岡県立大学薬学部生化学教室との共同研究で、1998年に大流行が懸念されたインフルエンザに由来するヘマグルチンの大量調製・精製・結晶化を行っている。
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Research Products
(3 results)
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[Publications] T.Tanaka: "A'-form RNA double helix in the single aystal structure of γ(UGAGCUUCGGCUC)"Nucleic Acids Research. 27. 949-955 (1999)
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[Publications] K.Takano: "Contribution of hydrogen bonds to the conformational stability of human lysozyme"Biochemistry. 38. 6623-6629 (1999)
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[Publications] Satoshi Fujii: "Conformational classification of functional nucleic Acids"Nucleic Acids Sym.Series. 42. 189-190 (1999)