1999 Fiscal Year Annual Research Report
シグナル伝達酵素ホスホリパーゼDの機能調節ドメインと生理的役割に関する研究
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10470480
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Research Institution | Tokyo Metropolitan Organization for Medical Research |
Principal Investigator |
金保 安則 財団法人 東京都医学研究機構, 東京都臨床医学総合研究所, 研究員 (00214437)
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Keywords | ホスホリパーゼD / PI(4)P5-キナーゼ / ラッフル膜 / ARF / ホスファチジン酸 |
Research Abstract |
申請者は、ホスファチジルイノシトール4-リン酸(PI(4)P)のD5位をリン酸化するPI(4)P5-キナーゼ(PI(4)P5K)はin vitroで低分子量G蛋白質のADPリボシル化因子(ARF)とホスファチジン酸(PA)により相乗的に活性されることを見いだした。PAは細胞膜にわずかながら存在するが、ホスホリパーゼD(PLD)によっても膜局所で産生される。そこで、アゴニスト刺激によりPI(4)P5KとPLDの細胞内局在が一致するか否かを指標に、PI(4)P5K活性調節機構へのPLDの関与について検討した。 現在までにPLD1とPLD2の二種のPLDがクローニングされているが、これらのPLDアイソザイムをヒト子宮頸ガン由来HeLa細胞に一過的に発現させると、PLD1はリソソーム/後期エンドソームに局在し、PLD2は細胞膜と細胞質全体にドット状に存在した。また、PI(4)P5KαもPLD2と同様に細胞膜と細胞質に散在した。PI(4)P5KαとPLD1またはPLD2を共発現させたHeLa細胞を上皮細胞増殖因子(EGF)で刺激すると、PLD2とPI(4)P5Kαはともに5-10分後に形成されたラッフル膜に移行し、それらの局在はほぼ完全に一致した。一方、PLD1については、EGF刺激してもその局在に変化は見られず、PI(4)P5Kαの局在とは異なっていた。これらの結果より、PLD2はPI(4)P5Kの活性化に関与し、ラッフル膜形成において重要な役割を果たすことが示唆された。 申請者は、この結果をCell99,521-532,1999に発表している。
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Research Products
(6 results)
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[Publications] M. Yamazaki, et al.: "Interaction of the small G protein RhoA with the C terminus of human phospholipase D1"J. Biol. Chem.. 274. 6035-6038 (1999)
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[Publications] K. Toda, et al.: "Colocalization of phospholipase D1 and GTP-binding-defective mutant of ADP-ribosylation factor 6 to endosomes and lvsosomes"FEBS Lett.. 444. 221-225 (1999)
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[Publications] A. Honda, et al.: "Phosphatidylinositol 4-phosphate 5-kinase α is a downstream effector of the small G protein ARF6 in membrane ruffle formation"Cell. 99. 521-532 (1999)
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[Publications] H. Watanabe, ea al.: "In hibition of phosphatidylin ositol 4, 5-bisphosphate-stimulated phospholipase D2 activity by Ser/Thr phgosphorvlation"Biochim. Biophys. Acta. (印刷中).
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[Publications] 金保安則、他: "蛋白質核酸酵素"共立出版株式会社 (印刷中).
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[Publications] 金保安則、他: "細胞工学"秀潤社 (印刷中).