1999 Fiscal Year Annual Research Report
中枢神経のCa^<2+>シグナル伝達におけるカルモデュリンキナーゼの役割
Project/Area Number |
10470484
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Research Institution | The University of Tokushima |
Principal Investigator |
山内 卓 徳島大学, 薬学部, 教授 (90041813)
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Keywords | CaM Kinase II / シナプス可塑性 / シナプス後肥厚 / Ca^<2+> / カルモデュリン |
Research Abstract |
中枢神経におけるCa^<2+>シグナルは、非常に短期な伝達から、長期にわたるものまで様々であり、作用メカニズムも複雑である。一方、カルモデュリンキナーゼは中枢神経におけるCa^<2+>シグナル伝達に中心的な役割を果たしていると考えられている。特に、CaM kinase IIは現在知られているプロテインキナーゼの中でも最も多量に存在する重要な酵素であり、中枢神経機能の制御を解明する上で極めて重要であると考えられる。本研究では、CaM kinase IIを中心として以下の研究を行なった。(1)シナプス活動と可塑性の制御に関して、シナプス後肥厚(PSD)におけるCaM kinase IIの多くの基質タンパク質を解析した。すなわち、PSDタンパク質を二次元電気泳動により分離し、基質となるタンパク質をゲルから抽出しそれぞれのアミノ酸配列を決定し同定した。また、イムノブロット法によっても同定した。(2)PSDにおけるCaM kinase IIの結合タンパク質を二次元電気泳動によるゲルオーバーレイ法で明かにした。(3)神経突起形成と細胞骨格機能調節を解析し、CaM kinase II過剰発現細胞では、神経突起形成にCaM kinase IIのCa^<2+>非依存性の活性が重要であることを明かにした。(4)胚性がん細胞由来のP19細胞を用いて、神経分化にともないCaM kinase IIのアイソフォームの発現が変化することを明かにした。(5)CaM kinase IIにより活性調節されるプロテインキナーゼは、現在のところ知られていないので、酵素の過剰発現細胞を用いて、CaM Kinase IIの基質となるプロテインキナーを探索している。
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