2000 Fiscal Year Annual Research Report
多様な細胞機能の制御におけるMAPキナーゼカスケードの役割
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10470485
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Research Institution | Nagasaki University |
Principal Investigator |
河野 通明 長崎大学, 薬学部, 教授 (00027335)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
星野 理香 長崎大学, 薬学部, 助手 (60315265)
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Keywords | ERK-MAPキナーゼ / p38MAPキナーゼ / 細胞増殖 / 細胞分化 / 細胞運動 / p27^<Kip1> / NF-M / MMP-9 |
Research Abstract |
1.細胞増殖系(PDGF/Swiss3T3細胞)、細胞分化系(NGF/PC12細胞)、細胞運動系(HGF/MDCK細胞)におけるERK-MAPキナーゼの役割を、それらが細胞内のどこで機能することが各生理応答の発現につながるかという点に注目して解析した結果、増殖系、運動系においてはERK-MAPキナーゼが核内で機能することが必須であるが、一方、分化系においてはそれがむしろ細胞質において機能することが重要であることを見出した。 2.細胞増殖系においては、ERK-MAPキナーゼ系が幾つかの転写因子の機能制御を介して最終的にサイクリン依存性キナーゼ(CDK)阻害蛋白質の一種であるp27^<Kip1>の発現を抑制し、これが細胞周期の進行において本質的な役割を果たしていることを見出した。 3.細胞分化系においては、ERK-MAPキナーゼが細胞質においてNeurofilament(NF)Proteins、特にNF-Mをリン酸化することが重要であることを見出した。一方、ここではERK-MAPキナーゼの他にp38MAPキナーゼも同時に活性化され、活性化p38MAPキナーゼが核内において幾つかの転写因子の機能制御を介して、NF-Mの発現誘導に密接に関与していることを見出した。 4.細胞運動系においては、まず転写因子、EIk-1がERK-MAPキナーゼによってリン酸化されることでc-fos遺伝子の発現が誘導され、次いでc-Junとheter odimerを形成したc-FosがMatrix metalloproteinase(MMP)-9遺伝子の転写調節領域にあるAP-1部位に結合することでMMP-9の発現が誘導され、これが細胞運動亢進において重要な役割を果たしていることを見出した。
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Research Products
(4 results)
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[Publications] Hoshino,R.: "Blockade of the extracellular siganl-regulated kinase pathway induces marked G1 cell cycle arrest and apoptosis in tumor cells in which the pathway is constitutively activated : Up-regulation of p27^<Kip1>"J.Biol.Chem.. 276(4). 2686-2692 (2001)
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[Publications] Hoshino,R.: "Blockade of the extracellular siganl-regulated kinase pathway induces marked G1 cell cycle arrest and apoptosis in tumor cells in which the pathway is constitutively activated."Cancer Detect.Prev.. 24(Suppl). S-93-S-94 (2000)
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[Publications] 星野理香: "ヒト癌細胞におけるMAPキナーゼ系の異常とその制御"生化学. 72(6). 460-465 (2000)
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[Publications] 渡邊一石: "微小管作用薬-古くて新しい抗腫瘍薬-"最新医学. 56(3)(印刷中). (2001)