2000 Fiscal Year Annual Research Report
ホスト-ゲスト分子認識による生体膜機能の人工制御を目指した分子設計と合成
Project/Area Number |
10470490
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Research Institution | Nagoya City University |
Principal Investigator |
小田嶋 和徳 名古屋市立大学, 薬学部, 教授 (30152507)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
前田 康博 名古屋市立大学, 薬学部, 助手 (60275146)
池田 慎一 名古屋市立大学, 薬学部, 助教授 (90254309)
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Keywords | ホスト-ゲスト錯体 / カリックスアレーン類 / ホモオキサカリックス[3]アレーン類 / 膜電位変化 / ドーパミン / 膜透過性変化 / カリックス[4]アレーン類縁体 / 非経験的分子軌道法 |
Research Abstract |
「ホスト-ゲスト分子認識による生体膜機能の人工制御を目指した分子設計と合成」に関する研究の継続的展開並びに新たな発展として,カリックス[6]アレーン誘導体(1)及びホモオキサカリックス[3]アレーン誘導体(2)による有機アミン類に対する選択的な膜電位変化,並びにカリックス[4]アレーン類縁体(3)によるチャネル形成能に関して,以下の知見を得た。 1.ホスト1,2のPVC液膜について,種々の有機アミンに対する膜電位変化を詳細に調べ,その選択性を支配する二つの要素として,(1)ゲストの脂溶性,(2)ホスト-ゲスト錯体形成の強さを分離して評価した。その結果,ホスト1による有機アミンゲストの非極性部分の形状識別,並びにホスト2によるドーパミンと他のカテコールアミン類(ノルアドレナリン,アドレナリン)の識別に関する膜電位変化の選択性が,上記の要素(2)に関する高い選択性に基づくことが明らかとなり,生体膜機能の人工制御のための基礎知見が得られた。 2.全てのフェノール性OHに長鎖アルキルアミド置換基を導入したカリックス[4]アレーン類縁体を新規人工チャネルとして合成し,それらを平面脂質二分子膜に埋め込み,両側の水溶液に印加電圧を加えたところ,単一チャネル電流が,チャネル開閉挙動を伴う矩形波として観測された。ただし,チャネルの開口確率が極めて不充分のため,上記のカリックス[4]アレーン類縁体を基本構造として,適格なチャネル側鎖を持つチャネル分子を設計,合成することが必要である。
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Research Products
(4 results)
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[Publications] K.Odashima: "Two Factors for Potentiometric Selectivities Displayed by Calix[6]arene and Hexahomotrioxacalix[3]arene Esters"Bioorganic & Medicinal Chemistry Letter. 11(accepted). (2001)
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[Publications] S.Amemiya: "Accurate Determination of Complex Formation Constants of Neutral Hosts in Solvent Polymeric Membranes"Analytical Chemistry. 73(accepted). (2001)
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[Publications] N.Mori: "Chemo-and Regioselective Cyclotrimerization of Monoynes by a Nickel (0) and Zinc (II) Phenoxide System"Chemical Communications. 181-182 (2001)
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[Publications] Y.Yamashita: "Catalytic Asymmetric Protonation of Achiral Lithium Enolates by a Chiral Tetraamine Ligand with Water as a Proton Source"Tetrahedron Letters. 41(2). 209-213 (2000)