1998 Fiscal Year Annual Research Report
マクロファージスカベンジャ受容体の機能ドメインのモデル化と成人病予防策への応用
Project/Area Number |
10470494
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (B)
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Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
土井 健史 大阪大学, 薬学研究科, 教授 (00211409)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
今西 武 大阪大学, 薬学研究科, 教授 (40028866)
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Keywords | スカベンジャー受容体 / 機能ドメイン / ペプチド分子 / 核酸分子 / アグリゲーション |
Research Abstract |
アセチル化や酸化などの修飾を加えたアポB100中の配列を持つぺプチド分子との相互作用を調べた結果、修飾を受けたことにより水に溶けにくくなった分子が受容体によるリガンドの取り込みを阻害することが判明した。またこの作用は、すべての不溶性分子について見られるものではなく、特定の状態を有する分子のみこの活性を生じることがわかった。 マクロファージスカベンジャー受容体リガンド結合ドメイン(コラーゲン様ドメイン)のモデル化分子の作成を、ペプチド分子とこれを3本に束ねるためのリンカーを用いて作成し、このモデル分子と核酸分子との相互作用について検討を行った。4本鎖構造を形成することが可能な配列d(T_4G_4)_4、d(T_2G_4T_2)_4等の分子を合成しその結合能を調べた結果、これらの分子が結合活性を有することが明らかとなった。以前より、核酸分子の4本鎖構造がスカベンジャー受容体に結合することが報告されていたが、本研究によって詳細な検討を行った結果、4本鎖構造の核酸分子には複数の高分子体が存在しており、受容体との結合に関与するのはアグリゲート化した高分子種であり、4本鎖構造をとる配列であってもモノマー分子では結合しないことが判明した。 以上の研究において、スカベンジャー受容体には特定のアグリゲーション形態を有する分子が結合することを明らかにしたが、ペプチド分子についてはX線構造解析を行ったところ、4.6Aの干渉像がみられアミロイド型のβシート構造をとっている可能性が示唆された。 次に細胞質ドメインについて、この配列を有するペプチド分子の作製を行った。さらにこのベプチドをそのC末端側で3本に束ねた分子の作製を行った。これら両分子のCDスペクトルをとった結果、両分子とも一定の2次構造をとっていなかったが、ヘリックス構造をとりうる傾向がみられた。
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[Publications] M.Honda: "Immunchistochemical Evidence for a Macrophage Scavenger Receptor in Mato Cells and Reactive Microglia of Ischemia and Alsheimer's Disease" Biochem.Biophys.Res.Commun.245. 734-740 (1998)
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[Publications] Y.Yamada: "Scavenger receptor family proteins: roles for atherosclerosis,host defence and disorders of the central nervous system" Cell.Mol.Life Sci.54. 628-640 (1998)