1999 Fiscal Year Annual Research Report
量子システム分析法による複雑系としての医療システムの動力学
Project/Area Number |
10470500
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Research Institution | National Graduate Institute for Policy Studies |
Principal Investigator |
松浦 弘幸 政策研究大学院大学, 政策研究プロジェクトセンター, 助教授 (30262116)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
中野 正博 産業医科大学, 医学部, 助教授 (70141744)
井街 宏 東京大学, 大学院・医学系研究科, 教授 (10010076)
藤正 巌 政策研究大学院大学, 大学院・政策研究科, 教授 (30010028)
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Keywords | ファジーハミルトニアン / GDP / 出生率 / 多変量解析 / 人口予測方程式 / ファジー数 |
Research Abstract |
量子システム分析法の根底を成すものは,量子力学でいうところのハミルトニアンである.一般にはハミルトニアンは微分演算子の形式で表現される.このために本年度は微分演算子にファジー的な方法を組み込むことをおこなった.これは,微分方程式の係数をファジー数と見なすことにより達成された.このようにして作られたファジーハミルトニアンは,外部からの擾乱にたいして安定性を発揮し推計結果の収束性に向上が認められた.さらに量子システム分析法の別の表現方法に対する研究をおこなった.これは,ラグラジアンから作用積分を定義し伝播関数を直接的に計算する方法である.これにより,システム構成図の中で重要な経路が自動的に選び出されるだけでなく,構成図から確率量を直接計算できる可能性が開けた.第3番目の方法として,実際に日本の出生力の低下の問題を扱った.主成分分析と重回帰分析により,以下のことが知れた. 1)合計特殊出生率は,主に乳児死亡率,未婚率,そしてGDPから大きな響を受ける.なかでも,乳児死亡率は低値にあり,これ以上の改善はのぞめない. また,未婚率の増加は,個々人の嗜好や主観的な価値に基づく理由が多く,有配偶率を高めることは困難である.そこで,攻策変数となり得るのは,GDPのみである. 2)社会生物学の方法と上記の計算結果を融合することにより,人口予測方程式を得た. これらの結果の報告を兼ねてシンポジュウムを開催した.
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Research Products
(4 results)
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[Publications] 松浦弘幸,井街宏,藤正巌: "ファジー決定法の内科疾患への応用(血液疾患診断の編)"第12回年次大会講演論文集(バイオメディカル・ファジーシステム学会). 75-76 (1999)
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[Publications] 中野正博,松浦弘幸: "力学系におけるファジーと微分方程式"第12回年次大会講演論文集(バイオメディカル・ファジーシステム学会). 57-60 (1999)
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[Publications] 松浦弘幸: "日本の低出生率は何処に行くのか"GRIPS Research Report Series. 99-002. 30-43 (1999)
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[Publications] 藤正巌,松浦弘幸: "政策立案のための社会構造推計システム"第19回医療情報学連合大会論文集. (1999)