1998 Fiscal Year Annual Research Report
病院の組織運営のダイナミズムと経営指標との関係-医療の質と運営に関する患者・職員自記式質問票調査の基準関連妥当性の検証-
Project/Area Number |
10470502
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Research Institution | Kyushu University |
Principal Investigator |
今中 雄一 九州大学, 大学院・医学系研究科, 助教授 (10256919)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
信友 浩一 九州大学, 大学院・医学系研究科, 教授 (90037424)
萩原 明人 九州大学, 大学院・医学系研究科, 助手 (50291521)
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Keywords | 医療の質 / 質改善活動 / 経営品質 / 経営指標 / 患者満足度 / 職務満足度 / 品質管理 / 妥当性 |
Research Abstract |
【目的】 入院の組織運営について、その全体を把握する理論とモデルをレビューした上で概念構築を行う。一方で、患者満足度、職務満足度、組織的な質改善活動に関して標準化した各々の調査票を用いて多施設調査を行い、入退院患者数や医業収支などの客観的な経営管理指標を経年的に収集し、これらがどのように関係するかを検証する。初年度としては、病院の組織運営に関する枠組みをレビューして病院の評価に対応させる枠組みを構築し、収集したデータについては一部の解析を開始した。 【方法】 医療の提供現場における患者満足度、職務満足度および質改善活動の認識と、組織のパフォーマンスに関する文献調査をさらに進め、学際的にレビューし、現在の知見と理論構成を整理する。 データ収集においては、日本の全国に散在する多施設病院を対象に、病院とは独立の研究機関を返答の宛先として、自記式質問票調査を郵送法で職員は各職種、各職位の階層別に無作為標本を抽出し、患者は一定期間に退院者すべてを対象として行った。一方で、病院の活動関連指数や経営管理指標を収集した。医療における患者・職員質問票調査結果および経営その他の客観的指標との間の相互連関について統計的に解析した。 【結果・考察】 組織運営およびその品質管理の捉えかたの枠組みとして、TQM、品質機能展開、情報を軸にする機能評価などを概念整理し、医療の提供システムに応用した枠組みを構築した(学会にて研究発表)。また、その中での業務進捗のあり方としてのプロジェクト管理およびその臨床上の応用であるクリティカルパスについても理論を整理した(図書にて発表)。患者満足と職務満足については、経営指標との関連はなお検討を要するが、看護のプロとしての成長における職務満足と看護ケアにおける患者満足など、多軸的に見た時両者の間に有意な関係が認められた。
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Research Products
(6 results)
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[Publications] 今中雄一 徳永淳也 原祐一 信友浩一: "病院情報システムと情報活用体制に関する機能評価体系構築の試み-全組織的な効率的効果的資源活用の推進へ向けて." 第18回医療情報学連合大会論文集. 634-635 (1998)
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[Publications] 徳永淳也 萩原明人 今中雄一 信友浩一: "病院医療における職務満足と患者満足との多軸的関係." 厚生の指標(厚生統計協会). 45(10). 18-22 (1998)
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[Publications] Yuichi Imanaka: "Healthcare Application of Quality Function Deployment to System Design and Individualized Care." Proceeding of the 15th International Conference on Quality in Health Care. 52 (1998)
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[Publications] 今中雄一: "医療情報の電子化と医療経済" インナービジョン. 13(8). 16-22 (1998)
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[Publications] 今中雄一: "医療におけるクリティカルパスの基本と展開,(長谷川敏彦監修「クリティカルパスと病院マネージメント」pp.13-28)" 薬業時報社, 277 (1998)
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[Publications] 今中雄一: "電子カルテとクリティカルパス(里村洋一監修「電子カルテが医療を変える」pp.66-83)" 日経BP社, 279 (1998)