1998 Fiscal Year Annual Research Report
フローサイトメトリーの新しい応用-細胞表面抗原の定量化とその臨床応用-
Project/Area Number |
10470514
|
Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (B)
|
Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
中原 一彦 東京大学, 医学部附属病院, 教授 (70101095)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
池田 忠子 杏林大学, 医学部, 講師 (90099242)
渡邉 卓 杏林大学, 医学部, 助教授 (00191768)
東 克己 東京大学, 医学部附属病院, 助手 (50159109)
米山 彰子 東京大学, 医学部附属病院, 講師 (50175684)
|
Keywords | フローサイトメトリー / リンパ球 / 細胞表面抗原 / 抗原密度 / 精度管理 / CD4 |
Research Abstract |
1. リンパ球細胞表面抗原密度の指標、FF係数の精度管理に関する検討 [目的および方法]我々は、リンパ球細胞表面抗原密度の定量が、臨床的に有用な、新たな免疫学的指標となり得るか否かを検討する目的で、その簡便な指標としてFF係数を開発した。本研究ではその精度管理に関連して、CD4抗原のFFについての同時再現性、日差再現性、経時的変動等を検討した。[結果および考察]同時再現性は極めて良好であった。同一個人についての日差の検討では、CD4-FFのCV値(%)は、大部分が10前後であった。同一検体の経時的測定では、室温保存でFF係数が時間とともに高値を示す傾向がみられた。蛍光色素の検討では、FITCの退色を考慮にいれた対応が必要であることが明らかになった。 2. リンパ球細胞表面抗原密度定量の標準化に関する検討 [目的]FF係数は、あるリンパ球亜群における特定の抗原の発現量(FI値)を細胞のサイズ(FSC値)別に測定、両者の相関直線の傾きを求めるものであった。本研究では、抗原密度に関するより標準化された指標の確立をめざして、抗原量および細胞サイズの二つの要素について、その標準化に向けた検討を行った。[方法]CD3陽性、CD4陽性細胞におけるCD4抗原の定量をモデルとした。抗原量に関して、QUIFIKIT(DAKO)QuantiBRITE PE(Becton Dickinson)等を用いてFI値をABC値(antigen binding capacity)へ交換することの妥当性に関して、また、サイズ標準ビーズを用いた細胞サイズの定量化(FSC値と細胞サイズとの関連)に関して検討を行った。 [結果および考察]従来のFF係数の算出法、即ちFI値/FSC値から、標準ビーズを活用することによってABC値/細胞サイズに変換したかたちで算定することにより、細胞表面抗原の抗原密度を、より標準化することが可能であると考えられた。
|
Research Products
(7 results)
-
[Publications] 中原一彦: "血液病へのフローサイトメトリーの応用" 日常診療と血液. 8(3). 291-296 (1998)
-
[Publications] 中原一彦: "やさしい表面マーカー" モダンメディア. 44(8). 241-245 (1998)
-
[Publications] Y.Koike, K.Nakahara et al: "Evaluation of thrombopoiesis in thrombocytopenic disorders by simultaneous measurement of retiuclated platelets of whole bload and serum thrombopoietin Concertrations." Thromb Haemost. 79. 1106-1110 (1998)
-
[Publications] K.Yan, K.Nakahara et al: "The increase of memory T cell subsets in children with idiopathic nephratic syndrome" Nephron. 79. 274-278 (1998)
-
[Publications] K.Aoki, K.Nakahara et al: "RP58 associates with condensed chromatin and mediates a sequence-specific transcriptional repression." The Journal of Biological Chemistry. 273(41). 26698-26704 (1998)
-
[Publications] 中原一彦(共著): "Surgery Frontier 分子生物学実験講座,フローサイトメトリー" メディカルレビュー社, 25-31 (1998)
-
[Publications] 中原一彦(共著): "実験臨床検査医学,フローサイトメトリー法" 文光堂, 84-86 (1998)